《月よりの使者》(読み)つきよりのししゃ

世界大百科事典(旧版)内の《月よりの使者》の言及

【田坂具隆】より

…1924年日活京都(大将軍)撮影所に助監督として入社,3年目に喜劇《かぼちゃ騒動記》(1926)で監督になる。ほとんど同時に監督としてスタートした内田吐夢に比べて作品も作風もじみで目だたなかったものの,久米正雄原作,入江たか子主演のメロドラマ《月よりの使者》(1934),川口松太郎原作の《明治一代女》(1935)をヒットさせたのち,山本有三文学のヒューマニズムに共感して映画化した《真実一路》(1937)と《路傍の石》(1938)で映画作家としての新境地に達した。この間に高重屋四郎というペンネームでシナリオ(原案)を書いて撮った《五人の斥候兵》(1938)は,日中戦争開始後の国策映画路線のなかにあって,戦争の場に立たされた人間の姿を素朴な形で描きつつ〈戦争〉と真剣に取り組んだ初めての日本映画であった。…

※「《月よりの使者》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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