いと

精選版 日本国語大辞典 「いと」の意味・読み・例文・類語

いと

[1] 〘接頭〙 名詞の上に付けて、幼い、いとけないの意を表わす。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一一日「姫君少納言のめのと、いと姫君の小式部のめのとなど」
[2] 〘名〙 幼児
(イ) 天明一七八一‐八九)頃までは男女児いずれをも言った。
※雑俳・へらず口(不及子編)(1734)「久七を今度は若様(イト)が馬に召す」
(ロ) 寛政一七八九‐一八〇一)の頃から特に女児、娘をいう。嬢。むすめ。→ぼん(坊)②。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「向(むかひ)の嚊(かか)や隣の児(イト)なぞ対手(あひて)にして」

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デジタル大辞泉 「いと」の意味・読み・例文・類語

いと

[副]
非常に。たいへん。きわめて。
三寸ばかりなる人、―うつくしうて居たり」〈竹取
ほんとうに。まったく。
「忘れ草種とらましを逢ふことの―かく難きものと知りせば」〈古今・恋五〉
(あとに打消しの語を伴って)あまり。それほど。
「―やむごとなききはにはあらぬが」〈桐壺
[補説]現在「いとも」という表現に残る。
[類語]いとも迚も非常大層大変極めて至ってはなはすこぶ至極しごくごく実にまことに大いにいたく・ひどく・恐ろしくすごくものすごく滅法めっぽう

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