おす

精選版 日本国語大辞典 「おす」の意味・読み・例文・類語

お・す

〘自サ特活〙 (「ある」「居る」の意の丁寧語近世江戸遊里語)
[一] 「ある」「居る」の意の丁寧語。ございます。あります。おります。
洒落本自惚鏡(1789)牽頭医者「おや主(ぬ)しゃあ。しろいほくろがおすよ」
[二] 補助動詞として丁寧の意を表わす。(で)ございます。(で)あります。
※洒落本・志羅川夜船(1789)西岸世界「徳さんか。どふりできいたやうな声でをした」
[補注](1)活用形は、連用形「おし」、終止形「おす」の用例が見られる。
(2)「洒・傾城觿」などによれば、最初、吉原の妓楼松葉屋の用語であったという。

おす

感動〙 出合った時の挨拶(あいさつ)言葉。多く、若い男性の間で使われる。おっす。

おす

〘名〙 「いそべ(磯辺)」をいう上代東国方言。→おすひ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「おす」の意味・読み・例文・類語

お・す[動]

[動サ特活]《近世、江戸の遊里語》
ある」「居る」の丁寧語。あります。ございます。おります。
「まだ妹も―・すから」〈洒・甲子夜話〉
(補助動詞形容詞のウ音便形、形容動詞・指定の助動詞「だ」の連用形「で」に付いて、丁寧の意を表す。(で)ございます。(で)あります。
ぬし心意気が未だ詳かならずで―・すよ」〈黄・盧生夢魂〉
[補説]活用は、連用形「おし」、終止形「おす」の用例がみられる。

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