お茶の水(読み)おちゃのみず

精選版 日本国語大辞典 「お茶の水」の意味・読み・例文・類語

おちゃのみず おチャのみづ【お茶の水】

[一] 東京都文京区湯島、本郷と千代田区駿河台との間を流れる、神田川の掘割一帯の地名。もと、この地にあった高林寺境内のわき水を、将軍家茶の湯に用いたための名。元和二年(一六一六)の掘割開発、その後の拡張工事のため泉は失われたが、景勝地として茗渓(めいけい)、小赤壁(しょうせきへき)と呼ばれた。
[二] 東京都三鷹市、井之頭(いのかしら)池にある井戸。将軍家が茶の湯に用いたと伝えられる。
[三] 狂言。各流。住持に頼まれて野中の清水を汲みに出かけた門前の女を、思いをよせる新発意(しんぼち)が追い、小歌で恋のやりとりをし、迎えに来た住持と争う筋。現行和泉流では「水汲(みずくみ)」といい、鷺流では「水汲新発意」といった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のお茶の水の言及

【御茶ノ水】より

…東京都千代田区北部(神田駿河台)から文京区南東部(湯島)にかけての地名。行政名にはなくJR中央線,および地下鉄丸ノ内線の御茶ノ水駅周辺をさす通称名であるが,お茶の水,御茶の水などの書き方もある。古くから茶をたてるのに良い水が出るため,この地名が出たとされている。…

※「お茶の水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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