こてこて

精選版 日本国語大辞典 「こてこて」の意味・読み・例文・類語

こて‐こて

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① むやみに多くの量をあつかうさまを表わす語。多すぎてごたごたするさまや、濃厚なさまなどにもいう。こってり。
浄瑠璃源平布引滝(1749)二「風呂敷包こてこてと心も吉野丸盆に、麨(はったい)紙袋、手に持ちながら」
※黴(1911)〈徳田秋声〉三〇「古い装飾品のこてこて飾られた部屋」
② たどたどしく不器用に仕事をするさまを表わす語。老人や、手なれない者、また、悲しみなどのために、手元がたどたどしくなるさまにいう。こってこって。
※浄瑠璃・祇園女御九重錦(1760)三「お神酒(みき)の余り燗鍋(かんなべ)に、温め入れてこてこてと、盃のせる丸盆も、心有りげに携へ出で」
[2] 〘形動〙 (一)①に同じ。
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉下「白粉こてこてにけはひし

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デジタル大辞泉 「こてこて」の意味・読み・例文・類語

こて‐こて

[副](スル)
度を越えて分量などの多いさま。また、濃厚なさま。「ポマードこてこて(と)した髪」
「明るい餉台ちゃぶだいの上に―食物が並べられ」〈秋声足迹
不慣れな手つきで物事をするさま。
「―取り出す行灯あんどん」〈浄・河原達引
[類語]ぎたぎたぎとぎとねっとりこってり脂ぎる脂っこい脂ギッシュオイリーくどいこってり脂っこいしつこい濃厚濃い濃密深いこまやか色濃い毒毒しいごてごて

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