させられ思考(読み)させられしこう

世界大百科事典(旧版)内のさせられ思考の言及

【作為体験】より

…われわれの心的過程には知覚であれ思考であれ,つねに〈私がしている〉〈私のもの〉という意識がともなっているが,この自我の能動性意識ないしは自我所属感が消失して,〈外から作為される〉というように他人の所為として体験されるもの。〈させられ体験〉ともいう。〈作為(させられ)思考gemachter Gedanke〉はそれが思考の面にあらわれたもので,〈思考干渉Gedankenbeeinflussung〉(考えが干渉される),〈思考吹入Gedankeneingebung〉(考えを吹き入れられる),〈思考奪取Gedankenentzug〉(考えを引き抜かれる)などがある。…

【思考】より

…強迫観念は強迫神経症,鬱(うつ)病,精神分裂病に,妄想は精神分裂病,妄想病,薬物依存などに認められる。なお,思考障害の特別なものとして,思考への影響性といって,主として精神分裂病者の訴える,自分の考えが他人によって操作されるという体験(させられ体験,作為体験の一種で〈させられ思考〉という)がある。この際には他人によって自分の考えが奪われたり(思考奪取Gedankenentzug),他人から考えを入れられる(思考吹入Gedankeneingebung)という体験として訴えられる。…

※「させられ思考」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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