そうぞうし(読み)ソウゾウシ

デジタル大辞泉 「そうぞうし」の意味・読み・例文・類語

そうぞう・し〔サウザウし〕

[形シク]《「寂々」または「索々」の字音形容詞化した「さくさくし」の音変化という》あるべきものがなくて心が満たされない。もの足りない。さびしい感じである。
男君のおはせずなどして―・しき夕暮れなどばかりぞ」〈若紫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「そうぞうし」の意味・読み・例文・類語

そうぞう‐サウザウ‥

〘形シク〙 あるべき物事がなくて、もの足りない気持がする。てもちぶさたで、心さびしい。
大和(947‐957頃)六一「とまり給へる御曹司ども、いとおもひのほかにさうさうしきことをおもほしけり」
源氏(1001‐14頃)橋姫「さうざうしくつれづれなる慰めに」
[補注]「さびさびし」の音便という説もあったが、「天治本新撰字鏡」に「囉 独坐不楽㒵 須加奈志 乎佐奈志 又佐久々々志」、「享和本新撰字鏡」に「嘻囉 心中不悦楽㒵 坐歎㒵 須加奈加留 又佐久佐久之」とあるところから「寂々」または「索々」の字音語を形容詞化した「さくさくし」の音便とする説が有力である。
そうぞうし‐が・る
〘自ラ四〙
そうぞうし‐げ
〘形動〙
そうぞうし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android