たあ(読み)タア

デジタル大辞泉 「たあ」の意味・読み・例文・類語

たあ

[連語]係助詞「は」が、その直前の音と融合して変化したもの》
格助詞「と」や「事」の「と」に「は」の付いた「とは」の音変化。
秋毫ちっとも厭味なこ―有りゃしないわネ」〈二葉亭浮雲
助動詞「た」や「そなた」「こなた」の「た」に「は」の付いた「たは」の音変化。
紙片かみぎれ飯粒を貼って胡魔化してやっ―ね」〈漱石吾輩は猫である

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たあ」の意味・読み・例文・類語

たあ

(係助詞「は」が、その直前の語の末尾音と融合して発音されたもの)
① 「事」や格助詞「と」など、「と」の音で終わる語に続く場合。とは。た。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)三「ナニわっちらアあるくこたア韋駄天さまさ」
過去・完了の助動詞「た」や「そなた」など「た」の音で終わる語に続く場合。たは。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三「そんたアわしがたにゃア命の親だ」

たあ

〘名〙 父を親しんで呼ぶ語。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)六「父(タア)も母(うも)も京へ来たにゃあ、我(げら)も出たにゃあ」

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