と言い(読み)といい

精選版 日本国語大辞典 「と言い」の意味・読み・例文・類語

と 言(い)

① (「…といい…といい」と重ねて用いて) 事柄を並べあげて、そのどれも、そのどの点もの意を表わす。
平家(13C前)一〇「南都炎上の事、王命といひ、武命といひ、君につかへ、世に従ふ法のがれがたくして」
※中華若木詩抄(1520頃)下「山と云い、雪と云い、日と云い、四方皓々として佳なる景ぞ」
② ある物事状態をあげて、更に他の物事が重なる意を表わす。…であり、その上さらに。
※三体詩素隠抄(1622)三「老病の身と云ひ、白髪したるほどに君に暇を申しこわんと思ふ意をのべたぞ」
浮世草子・新色五巻書(1698)三「旅といい、行べき所のなき身なれば知るべとてもあらず」

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デジタル大辞泉 「と言い」の意味・読み・例文・類語

と‐いい〔‐いひ〕【と言い】

[連語]
(「…といい…といい」の形で)二つ以上の事柄を挙げて、それらのすべてを同じように評価することを示す。…も…も。…だって…だって。「色と言いと言いすばらしい」
前述の事柄を受けて、さらに他の事柄が重なることを表す。…であり、その上。
「真夜中過の事―殊に風雨の烈しければ」〈染崎延房・近世紀聞〉

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