ぶうぶう

精選版 日本国語大辞典 「ぶうぶう」の意味・読み・例文・類語

ぶう‐ぶう

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① あれこれ、とりとめもなく不平や不満をいうさまを表わす語。
※狂歌・狂歌種ふくべ(1737)夏「烟といふ立衆に逢て迯行はぶうぶういへどもとが蚊のすね」
② 酒に酔って、わめくさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
※火の柱(1904)〈木下尚江〉一四「朝から酒飲んでブウブウばかり、言ってるじゃねエか」
③ 火の燃える音、物の煮え立つ音、また、そのさまを表わす語。
浄瑠璃・猿丸太夫鹿巻毫(1736)二「荒神様も女ご神、其せうこには鍋釜の臍の下を焚さへすれは、御きげんよがってぶうぶうとふかしゃります」
④ 法螺(ほら)貝や楽器を吹く音、器械の出す音を表わす語。
※浄瑠璃・源平布引滝(1749)二「螺貝(ほらがい)がぶうぶうぶう」
⑤ 放屁する音、また、そのさまを表わす語。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)初編「馬の屁のおと、ブウブウブウ」
⑥ 車の警笛の音を表わす語。
湖畔手記(1924)〈葛西善蔵〉「ブウブウ笛を鳴らしながら」
[2] ((一)の音から)
不平不満、こごとなど。ぶうぶ。
※洒落本・寸南破良意(1775)きおい「何だ御たいそうな、をれがぶうぶうをいふくらへの事にぬしのくるにゃア、及ばねへ」
② うるさくいう者の意。怒りん坊、無頼漢、うるさがたなど。
※浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)中「人の異見も馬の耳、よそ吹風のぶうぶうにて」
③ 火や灯火をいう幼児語
自動車をいう幼児語。
真理の春(1930)〈細田民樹〉縛られる「来たよ、お父ちゃん、ブー、ブー来た、来た」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぶうぶう」の意味・読み・例文・類語

ぶう‐ぶう

[副]
らっぱなどを低く大きく吹いたような音を表す語。「車がクラクションぶうぶう鳴らす」
不平不満などを盛んに言うさま。「ぶうぶう言う暇があったら仕事をしろ」
豚の鳴き声を表す語。
[名]
自動車または豚をいう幼児語。
不平不満。小言。また、それを言ってうるさがられる人。
「人の異見も馬の耳、よそ吹く風の―にて」〈浄・二枚絵草紙〉
[類語]うだうだぐだぐだくだくだくどくどぶつぶつぶつくさがたがたつべこべぐずぐずたらたらへどもどしどろもどろああだこうだなんのかのとやかくなんだかんだどうのこうの減らず口愚痴る愚痴をこぼすぼやくこぼすごねるごてるくねるああ言えばこう言う御託を並べる言葉を返す異を唱えるけちを付ける四の五の四の五の言う

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