イギリス巻(読み)イギリスまき

精選版 日本国語大辞典 「イギリス巻」の意味・読み・例文・類語

イギリス‐まき【イギリス巻】

〘名〙 女性の髪の結い方の一つ。うしろから巻き上げて左右に輪を作った束髪(そくはつ)。明治三〇年代(一八九七‐一九〇六)に流行した。イギリス結び、イギリス結い、イギリス銀杏とも。
※玄武朱雀(1898)〈泉鏡花〉九「イギリス巻にいった、ひょろ高いお嬢様」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「イギリス巻」の意味・読み・例文・類語

イギリス‐まき【イギリス巻】

明治30年代にはやった女性の髪形。後ろから巻きあげて左右に輪を作る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイギリス巻の言及

【髪形】より

…一般の既婚者の間では銀杏返し(いちようがえし)が結われていたが,中・上流階級では束髪系統が一世を風靡した。束髪には西洋上げ巻,西洋下げ巻,イギリス巻,まかれいと(マーガレット)などがあり,たちまち全国にひろまった。このイギリス巻やマーガレットによって,初めて〈髪を編む〉という技法が日本に紹介され,鬢,髷,髱で構成された従来の髪形が変化していくことになった。…

【束髪】より

…東京では〈洋式婦人束髪法〉というパンフレットや,〈婦人束髪改良図〉という髪形を前後左右から描いた色刷り版画が出され,大いに啓蒙宣伝された。東京を中心に次々と作り出された束髪が世に紹介され,〈夜会巻〉〈二百三高地〉〈行方不明〉〈イギリス巻〉〈西洋上巻〉〈まがれいと〉〈西洋結び〉などと名付けられた。鹿鳴館などの社交場に集まる洋装の婦人にも,また和服の一般の女性にも共通して結われ,昭和初期まで幅広く愛好された。…

※「イギリス巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android