イストラティ(英語表記)Panait Istrati

改訂新版 世界大百科事典 「イストラティ」の意味・わかりやすい解説

イストラティ
Panait Istrati
生没年:1884-1935

ルーマニア小説家。ドナウ河畔の港町ブライラの出身。社会主義運動に参加した後,スイスフランス放浪の生活を送った。1923年にロマン・ロランのすすめでフランス語で書いた小説《キラ・キラリナ》によって一躍名声を得,その後の作品でも,故国山賊浮浪者の生活を色彩に富む文体で描き,〈バルカンゴーリキー〉と呼ばれた。一時ソ連に滞在したが,30年に帰国し,貧窮のうちに生涯を終えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イストラティ」の意味・わかりやすい解説

イストラティ
Istrati, Panait

[生]1884.8.11. バルドビネシュチ
[没]1935.4.16. ブカレスト
ルーマニアの作家。本名 Gherasim。ドナウ川下流の港町ブライラの近郊に生れ,幼時から貧窮を体験,労働運動に参加した。のち国外に出て諸国を放浪,R.ロラン知遇を得て,フランス語で作品を発表した。代表作には,ルーマニアの過去の歴史に題材をとった『スナゴブの王女』 Domniţ a din Snagov (1926) などと,故郷の港町や農村下積みの人々の運命を描いた半自伝的作品『キラ・キラリーナ』 Kyra Kyralina (24) ,『バラガン平野のあざみ』 Ciulinii Bǎrǎganului (28) ,『コディン』 Codin (29) などがあり,「バルカンのゴーリキー」と呼ばれた。

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