知恵蔵2010の解説
ユダヤ教の戒律を厳守する人々。その人口と影響力が、イスラエル社会で増大している。出生率の高さと、宗教への回帰現象がその要因。彼らの支持を受ける3宗教政党が、クネセットに計27の議席を持つ。宗教勢力は、影響力を行使して戒律の厳守を求める運動を続けている。しかし、ユダヤ教神学生の徴兵免除などの特権に、世俗的なイスラエル国民の反発が高まっている。特に問題となっているのは、ユダヤ教への改宗はオーソドックスのラビ(導師)によらなければならない、との法案を成立させようという動きである。これには米国内のユダヤ人が強い反発を示している。彼らの大半は、戒律にそれほどとらわれない生活を送っており、異教徒との結婚も多い。もしこの法案が成立すると、彼らの配偶者のユダヤ教への改宗はイスラエルでは認められなくなるからである。イスラエルにおけるオーソドックスの力の増大は、内外のユダヤ社会の亀裂を意味しかねない。
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高橋和夫放送大学助教授
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出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
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