キチン・キトサン(読み)きちんきとさん

食の医学館 「キチン・キトサン」の解説

きちんきとさん【キチン・キトサン】

キチンキトサンは、缶詰用のカニの殻(から)を再利用する研究のなかで、健康食品として注目されました。キチンは甲殻類(こうかくるい)の殻などに含まれる多糖類で、動物性食物繊維です。キチンを加工したものがキトサンです。
○栄養成分としての働き
 キチン・キトサンは自然治癒力(ちゆりょく)を高めることで、さまざまな病気を予防し、症状を改善します。とくに制がん効果は顕著で、転移を防いだり病巣を縮小させたりした症例が多くあります。塩分中の塩素を腸管内で吸着し排出するので、高血圧を予防しますし、消化液の胆汁酸(たんじゅうさん)排泄(はいせつ)することで、コレステロールの胆汁酸への転換を促進させ、コレステロール値を下げます。また小腸内で脂肪に結合し、脂肪の吸収を阻害するため肥満も防止します。食物繊維なので便秘(べんぴ)も解消します。
○注意すべきこと
 アレルギー体質の人は、注意が必要です。

出典 小学館食の医学館について 情報

百科事典マイペディア 「キチン・キトサン」の意味・わかりやすい解説

キチン・キトサン

キチンはカニ,エビなどの甲殻類や昆虫などの外殻中に存在する多糖類。N‐アセチルグルコサミンの重合体で,セルロースに似た化学構造を有している。キトサンはキチンを熱濃アルカリ処理して得られる。キチンは天然に多量に存在しながら,セルロース資源と違って腐敗しやすく,従来あまり利用されなかったが,近年,各方面で応用への道が開かれた。その生体吸収性により人工皮膚・外科用縫合糸に,抗菌・抗カビ性により食品保存料・抗菌性繊維製品に,粒状多孔性ゲル形成により酵素・細胞固定化担体,イオン交換用材,水・アルコール分離膜などに,利用されている。

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