クラビホ(読み)くらびほ(英語表記)Ruy González de Clavijo

デジタル大辞泉 「クラビホ」の意味・読み・例文・類語

クラビホ(Ruy González de Clavijo)

[?~1412]スペイン外交官旅行家。スペインの大使としてチムールに派遣され、旅行記「チムール帝国紀行」を残した。ゴンサレス=デ=クラビホ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラビホ」の意味・わかりやすい解説

クラビホ
くらびほ
Ruy González de Clavijo
(?―1412)

スペインの廷臣。14世紀末から15世紀初め、ヨーロッパ諸国を脅かしていたオスマン・トルコに対し、新興ティームール東方から迫っていた。当時カスティーリャとレオンの国王エンリケ3世は、このティームールとの提携を考え、使節団をティームールのもとに派遣することとし、団長侍従クラビホを任命した。一行は1403年5月に出発し、コンスタンティノープルを経て翌年9月にサマルカンドでティームールに会い、同地に3か月滞在後、帰路についた。途中タブリーズに長期滞在し、06年3月セビーリャに帰着した。帰国後、クラビホが書いた見聞記(Historia del Gran Tamerlán)には、当時東方世界の一大中心都市サマルカンドのようす、ティームール帝国の内部事情、コンスタンティノープルにおけるキリスト教史跡、帰国の途中で見聞したティームール死後における帝国内の混乱ぶりなど、貴重な記録が盛られている。

[海老澤哲雄]

『クラビホ著、山田信夫訳『チムール帝国紀行』(1967・桃源社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クラビホ」の意味・わかりやすい解説

クラビホ
Ruy Gonzaléz de Clavijo
生没年:?-1412

中央アジア旅行記を残したスペインの騎士,侍従。1403年5月,エンリケ3世の派遣した対ティムール朝使節団の団長としてカディスサンタ・マリア港を出発,04年9月,サマルカンドでティムールに会見,06年3月,サン・ルーカル港に帰着。帰国後,旅行中の見聞を記した《偉大なるタモルランの生涯所業》を著す。その詳細かつ正確な記述によって15世紀初頭の中央アジア研究のための第一級史料とされている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラビホ」の意味・わかりやすい解説

クラビホ

ゴンサレス・デ・クラビホ」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android