精選版 日本国語大辞典 「グリーグ」の意味・読み・例文・類語
グリーグ
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ノルウェーの作曲家。ピアニストの母から音楽の手ほどきを受け,1858年ライプチヒ音楽院に留学。ウェンツェルE.F.Wenzel,モシュレスにピアノを,リヒターE.F.Richter(1808-79),ハウプトマンM.Hauptmann(1792-1868)に和声・対位法を,ライネケC.Reinecke(1824-1910)に作曲を師事。またシューマンをはじめとするドイツ・ロマン派音楽の影響を受けた。帰国後,故郷ベルゲンでピアニスト,作曲家として活躍を始めた。64年ノルウェーの作曲家ノールロークRikard Nordraak(1842-66)との出会いは,彼に転機を与え,それまでのドイツやデンマークのロマン主義的傾向から離れて,ノルウェー国民主義的様式へと向かう。66年クリスティアニア(現,オスロ)に居を据え,指揮者として国内,国外で活躍,71年に音楽協会を設立,音楽振興に努め,74年政府から終身年金を受けることになった。その後ベルゲン近郊に移り創作する一方,演奏旅行を行った。彼は種々の編曲を通してノルウェーの民謡や舞曲を芸術的なものに高めると同時に,ノルウェーの民俗音楽に創作の源泉を見いだし,国民的な音楽の基礎を築いた。その和声には,すでに印象主義的傾向が認められる。彼の個性は小規模な歌曲とピアノ曲において最も良く発揮されている。数多い作品のうち,《ピアノ協奏曲イ短調》(1868),管弦楽組曲《ペール・ギュント1,2》(1888,91)は広く親しまれている。
執筆者:寺田 由美子
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出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
…メンデルスゾーンの《バイオリン協奏曲》にはダーフィトFerdinand David(1810‐73)が協力し,J.ヨアヒムのためには,シューマン,ブルッフ,ブラームス,ドボルジャークなどが優れた協奏曲を書いている。高度の名人芸を優れた音楽性に結びつけようとした19世紀後半のバイオリン曲には,同時代の名演奏家P.deサラサーテにささげられたE.ラロの《スペイン協奏曲》(1873)やサン・サーンスの《バイオリン協奏曲第3番》(1880),またソナタとしては,ブラームスの3曲(1879,86,88),ベルギーの名手E.A.イザイエにささげられたC.フランクの傑作(1886),ノルウェーの抒情性に富んだE.グリーグの第3番(1887)などがあり,今日の演奏会の重要な曲目を形成している。 調性を離れた革新的な作曲語法の探究という20世紀音楽のおもな潮流は,バイオリンの旋律的性格とは異質な音響世界の構築へと向かった。…
※「グリーグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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