精選版 日本国語大辞典 「ケント」の意味・読み・例文・類語
ケント
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
翻訳|Kent
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
イギリス,イングランド南東端にある州。中世のアングロ・サクソン七王国の一つ,ケント王国の支配領域を指す歴史的地方名でもあり,ケルト語で〈辺境〉を意味するcanto-に由来する。シェピー島などの島嶼を含めて面積3732km2,人口137万(2005)で,州都はメードストン。北はテムズ川エスチュアリー(三角江)に,南東はドーバー海峡に面し,大陸との接点をなす。州の中央部を白亜質のノース・ダウンズ丘陵が東西に走り,その両側にはメドウェー川,ストゥア川流域を中心に粘土層の低地が広がる。こうした肥沃な河谷では,やや大陸的な気候を利用して穀類栽培のほか,ホップ,リンゴ,野菜などの市場園芸が発達しており,また丘陵部やロムニー湿地は有数の牧羊地域となっている。沿岸漁業も盛んで,特にロチェスター付近のカキ養殖はローマ時代から有名である。地下資源では南部のウィールド丘陵の鉄鉱石が古代から,東部のケント炭田が20世紀になってから開発されている。このためかつては鉄鉱と木炭を利用した製鉄,フランドルから移住した職人による毛織物,またケント紙で知られる製紙などの工業が栄えていた。現在はテムズ川,メドウェー川河口部のグレーブゼンド,チャタムなどに造船,機械,セメントを中心とする重工業が集中している。またグレーン島には大規模な精油所がある。
大陸に近接するため,しばしばイギリスへの侵入路として利用され,前55年にはカエサルが,また5世紀中葉にはユート人が上陸してきた。中世のケント王国はカンタベリーを都として最も早く統一を完成し,6世紀後半のエセルバート王時代には最盛期を迎えて,キリスト教の導入や法典の編纂が行われた。9世紀初めにはウェセックス王国の支配下に入るが,均分相続などの独特な社会制度,農地制度はその後も残存した。
執筆者:長谷川 孝治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
イングランド南東部のアングロ・サクソン七王国の一つ。5世紀にジュート人が建国,都はカンタベリ(ケントの城市の意)。6世紀末エセルベルト王のときが最盛期で,イングランドで初めてキリスト教を導入。以後衰え,9世紀からイングランド王国に編入された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…(4)放牧地帯 かつてケルト制度と呼ばれる粗放穀草式農業の地域であったペナイン山脈やコーンウォール半島では,湿潤な高原が永久草地として羊や肉牛の放牧に利用されている。(5)園芸農業地帯 南部海岸,ケント,フェンランド,ヨーク河谷などの飛地的地域では,それぞれの優れた気候,土壌,市場条件を背景に,促成野菜,果樹,花卉(かき),ホップなどの栽培が行われている。 次に鉱業に関してみると,全体に斜陽化が顕著である。…
…5~9世紀にかけて,イングランドに渡来・定着したアングロ・サクソン人が形成した小部族王国。東南部のケント(ジュート人が建国),テムズ川下流を占めたエセックス,西部に発展したウェセックス,南部のサセックス(以上サクソン族が建国),東部のイースト・アングリア,中部のマーシア,北部のノーサンブリア(以上アングル族が建国)の7国をいう。これら諸国は先住のブリトン人と戦って征服をすすめる一方,相互の間でも覇権をめぐって抗争し,6世紀末にはエゼルベルフト(エセルバート)王(在位560‐616)治下のケントが有力になった。…
…ユート人ともいう。原住地はユトランド半島であったが,民族大移動期の5,6世紀にグレート・ブリテン島の南東部に渡来してケント王国を建て,一部はさらにワイト島やその対岸地方にも移動定着した。同じ時期にグレート・ブリテン島に移ったアングル人,サクソン人などとともにアングロ・サクソン人を構成するが,ジュート人の定着したケント地方は,古くはフランク人の影響と思われる精巧な工芸手法や,また中世においては男子均分相続などにみられる相続慣行,その他土地制度,法慣習など,前2者に対する独自性を長く保持した。…
…この設計は最初ブリッジマンCharles Bridgeman(?‐1738)によって行われ,彼は庭と外界の境に一種の堀割であるハハーHahahを導入して,何さえぎるものなく眺望が周囲の自然にとけ込んでいくように工夫した。ストーは以後,ブリッジマンと協同したバンブラー,ケント,ギブズ,ブラウンといった名手たちがつぎつぎに手を加えた記念碑的な庭園となる。風景式庭園のさまざまな相を一つに集めた庭として,いまに伝えられている。…
※「ケント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
1/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
12/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新