ゼロラジオグラフィー(英語表記)xeroradiography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼロラジオグラフィー」の意味・わかりやすい解説

ゼロラジオグラフィー
xeroradiography

乾式X線撮影。セレンアントラセンは電気的に絶縁性をもった物質であるが,X線などの照射によって電導性を帯びる。この現象を利用したX線撮影法で,従来の増感紙フィルムの代りに,半導体セレンの薄膜を蒸着したアルミニウム板で撮影を行うと,X線の強弱に応じて電導性を帯びた部分の濃淡ができる。これに反対荷電の炭粉を吹きつけ,炭粉の分布に濃淡が生じたところで紙に転写する。得られた像は辺縁がはっきりし,鮮鋭度が高い。暗室は不必要である。主として乳房や軟部組織の検査に用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のゼロラジオグラフィーの言及

【X線検査】より

…(8)電子X線写真法 通常のX線撮影にはX線フィルムが用いられているが,半導体(セレンなど)のX線による放電現象を利用し,未放電の部分に色素粉末を吸着させ,紙に転写後,画像を得る方法である。この方式は,すべての行程が乾式で処理されることから,ゼロラジオグラフィーzeroradiographyと呼ばれている。辺縁効果があり寛容度も広いため,骨陰影,軟部陰影の描出に優れている。…

※「ゼロラジオグラフィー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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