チェリャビンスク(読み)ちぇりゃびんすく(英語表記)Челябинск/Chelyabinsk

精選版 日本国語大辞典 「チェリャビンスク」の意味・読み・例文・類語

チェリャビンスク

(Čjeljabinsk) ロシア中部、ウラル山脈の南東側の斜面にある都市。一八九二年シベリア鉄道の開通後はシベリアへの移民の出発地として知られた。周囲炭田をひかえ、現在は重化学工業都市に発展。

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デジタル大辞泉 「チェリャビンスク」の意味・読み・例文・類語

チェリャビンスク(Chelyabinsk/Челябинск)

ロシア連邦ウラル山脈南東にある工業都市。鉄鋼・冶金やきん・機械工業が盛ん。人口、行政区109万(2008)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェリャビンスク」の意味・わかりやすい解説

チェリャビンスク
ちぇりゃびんすく
Челябинск/Chelyabinsk

ロシア連邦中部、ウラルにある大工業都市。チェリャビンスク州州都。工業労働者数、生産額でウラル第一といわれる。人口108万6300(1999)。ウラル山脈南東麓(ろく)、ミアス川の河岸に1736年要塞(ようさい)が築かれ、これを起源に市の歴史が始まった。市が発展するのは1892年に鉄道が開通してからで、シベリア移民の中継地、中部ウラルにある諸工場の最寄りの鉄道要地として発展し、農産物加工工場も立地するようになった。

 工業発展はロシア革命(1917)後で、ゴエルロ・プランплан ГОЭЛРО/plan GOELRO(ロシア電化国家委員会計画、1920)により近郊の褐炭を利用する火力発電所が建設され、以後、亜鉛、合金製造工場がつくられた。また、第二次世界大戦中、西部のリペツク、エレクトロスターリからの疎開工場により鉄冶金(やきん)工業が発展し、ウラルの大鉄鋼生産地になった。現在は大口径の石油と天然ガスのパイプライン用鋼管の生産で著名である。石炭および鉄鉱石は、おもにカザフスタンから輸入している。また、鉄鋼を利用する機械工業が発展し、そのおもなものはトラクターと時計製造工業である。そのほか、市民の需要にこたえる軽工業食品工業がみられる。教育・文化施設としては、農業機械・技術、電気、工科、医科、教育の各大学、博物館、各種劇場がある。ウラル南部の交通要地でもあり、ロシア西部と東部、およびカザフスタンを結ぶ鉄道、自動車道の分岐点で、空港もある。

[中村泰三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェリャビンスク」の意味・わかりやすい解説

チェリャビンスク
Chelyabinsk

ロシア中西部,チェリャビンスク州の州都。ウラル山脈南部東麓,オビ川水系ミアス川にのぞむ重工業都市。 1736年要塞が建設されたことに始り,81年市となった。市の発展は 1892年西のウファからの鉄道が市に達し,これがシベリア横断鉄道として市からさらに東に延びてからで,地域の交易中心地 (農産物) として,またシベリアへの移民の門戸として栄えた。重工業の発展は,ロシア革命後の5ヵ年計画実施以降で,これにより大トラクタ工場その他の工場が建設され,さらに第2次世界大戦中,西方からの疎開企業により発展が促進された。現在ウラル工業地域第1の工業都市で,冶金 (鉄,亜鉛) ,鋼管,鍛造・プレス設備,トラクタなどの重工業が盛ん。農業機械化・電化,工科,教育,医科の各大学や各種研究所も集中している。南ウラルの交通の要地で,鉄道,ハイウェーが分岐し,国際空港もある。近郊の衛星都市とともに人口百数十万の大都市圏を形成している。人口 113万273(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「チェリャビンスク」の意味・わかりやすい解説

チェリャビンスク
Chelyabinsk

ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの東部,同名州の州都。ウラル山脈の東部斜面,ミアス河畔に位置する。人口109万5053(2004)。1736年,部落セリャバ(チェリャバ)にできた要塞が起源。当地方の農業中心地であったが,19世紀末シベリア鉄道が通り発展。第2次大戦期,東方への産業疎開でさらに発展し,ウラル工業地帯南部の最重要都市となった。主体は重化学工業。ロシア最大のトラクター工場がある。
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百科事典マイペディア 「チェリャビンスク」の意味・わかりやすい解説

チェリャビンスク

ロシア,ウラル山脈東麓の都市で,同名州の州都。ミアス川に臨む交通の要地。鉄鋼,機械,冶金,化学などの工業の中心地。1736年創設。ロシア革命後工業都市,シベリア移住者の前線基地として急速に発展。第2次大戦後は軍事産業が大きく発展。1957年,北郊の核兵器工場で爆発事故が起こり,惨事となった。109万4804人(2009)。
→関連項目ロシア

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