ドリュラロシェル

デジタル大辞泉 「ドリュラロシェル」の意味・読み・例文・類語

ドリュ‐ラ‐ロシェル(Pierre Drieu La Rochelle)

[1893~1945]フランス小説家。第一次大戦後青年の不安と絶望を描いた代表的作家。第二次大戦中はナチスに協力し、戦後自殺した。小説ゆらめく炎」「ジル」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ドリュラロシェル」の意味・読み・例文・類語

ドリュ‐ラ‐ロシェル

(Pierre Drieu La Rochelle ピエール━) フランスの小説家。第一次世界大戦後に「不安の時代」の作家として活躍ファシズム台頭とともに右傾し、第二次世界大戦後自殺した。代表作「夢みるブルジョア娘」「ジル」。(一八九三‐一九四五

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改訂新版 世界大百科事典 「ドリュラロシェル」の意味・わかりやすい解説

ドリュ・ラ・ロシェル
Pierre Drieu La Rochelle
生没年:1893-1945

フランスの小説家,詩人,評論家。第1次大戦に従軍して数度も負傷し,その体験から詩集審問》(1917)などが生まれた。1921年ころからアラゴンやブルトンらのシュルレアリスムに接近し,同時に現代政治への関心も深めてゆく。政治的エッセー《フランスの測定》(1922),中編小説集《未知なるものへの愁訴》(1924)などが好評をもって迎えられた。ヨーロッパの,特にフランスのデカダンスをいかに克服するかという課題に直面し,アラゴンらがコミュニズム活路を見いだしたのに対してドリュはファシズムの道を志向した。その間の思想的動揺は小説《夢見るブルジョアジー》(1937),特に直截的には自伝風長編小説《ジルGilles》(1939)において明らかである。第2次大戦中はドイツに協力して,戦時下の《NRF(エヌエルエフ)》誌の編集なども引き受けたが,1945年,対独協力のかどで逮捕令状が発せられたのを機に,自殺を遂げた。
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世界大百科事典(旧版)内のドリュラロシェルの言及

【NRF】より

…マルロー,サルトルらも同誌を通じて文壇に登場した文学者である。しかしポーランのあとを受けたドリュ・ラ・ロシェルがナチスに協力したため同人の支持を失い,43年6月で休刊を余儀なくされ,53年1月より復刊したが,もはや昔日の面影はない。なお今日フランス屈指の出版社であるガリマール書店は,この雑誌の出版機関をガストン・ガリマールが引き受けて成長させたものである。…

※「ドリュラロシェル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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