ニュートンの粘性法則(読み)ニュートンのねんせいほうそく(英語表記)Newton's law of viscosity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニュートンの粘性法則」の意味・わかりやすい解説

ニュートンの粘性法則
ニュートンのねんせいほうそく
Newton's law of viscosity

流体速度が流れに垂直な方向に変化しているとき,流れに平行な面が受ける粘性力は垂直な方向の速度変化率に比例するという法則。比例係数を粘性率といい,この法則に従う流体をニュートン流体という。ナビエ=ストークス方程式では,この法則は応力テンソルと変形速度テンソルの比例関係に置き換えられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

法則の辞典 「ニュートンの粘性法則」の解説

ニュートンの粘性法則【Newton's law of viscosity】

流体におけるずれ応力は,速度勾配に比例する.ニュートンの応力公式*と呼ぶこともある.これを満足するような流体をニュートン流体*と呼ぶ.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のニュートンの粘性法則の言及

【粘性】より

…この力は面積に比例するので,単位面積当りの力τをとり,これを接線応力と呼ぶ。τは速度こう配に比例し,ニュートンの粘性法則, τ=μ∂u/∂yに従う。比例定数μは粘性率coefficient of viscosity,または粘性係数と呼ばれ,物質によって異なり,液体のほうが気体よりはるかに大きい。…

【流体】より

…粘性の影響が小さい場合の理想化として,粘性を無視し内力としては圧力しか働かないとした流体を完全流体と呼ぶが,超流動状態の液体ヘリウムを除けば実在の流体はすべて粘性をもつ粘性流体である。通常の流体では粘性応力は変形速度の一次関数となり(ニュートンの粘性法則),ニュートン流体と呼ばれる。高分子溶液などのようにニュートンの粘性法則からはずれる流体は非ニュートン流体という。…

※「ニュートンの粘性法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android