ネブラスカ(読み)ねぶらすか(英語表記)Nebraska

翻訳|Nebraska

精選版 日本国語大辞典 「ネブラスカ」の意味・読み・例文・類語

ネブラスカ

(Nebraska) アメリカ合衆国中部の州。ロッキー山脈東斜面の大平原に位置し、中央部をプラット川東辺ミズーリ川が流れる。灌漑農業が行なわれ、オマハには大家畜市場、大穀物市場がある。州都リンカーン

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改訂新版 世界大百科事典 「ネブラスカ」の意味・わかりやすい解説

ネブラスカ[州]
Nebraska

アメリカ合衆国中西部の州。略称Neb.。連邦加入1867年,37番目。面積20万0017km2,人口182万6341(2010)。州都リンカン,最大都市オマハ。1803年のルイジアナ購入によって合衆国領となった。州名は中央部を東西に流れるプラット川を指すインディアンの言葉に由来し,〈平らな水〉を意味する。地形も平たんで,山らしい山はない。気候的には西側のステップ気候から東側の湿潤温暖気候への漸移地帯で,西部は放牧,東部はトウモロコシ(全米4位,1980)などの農業が盛んである。州の別称は〈コーンハスカー(トウモロコシの皮をむく人)州Cornhusker State〉であるが,〈ビーフ(牛肉)州〉とも称した。農村中心の州で大都市はきわめて少なく,最大のオマハにしても農牧産品の集散地である。ホームステッド法の第1号農場が州内に存在し,州議事堂の頂上には種まく人の像がある。また農民の立場を主張した大統領候補W.J.ブライアンや,開拓民の生活を描いたW.キャザーを生んだことはこの州の農業的伝統を象徴している。しかし,農村的すなわち保守的と考えるべきではない。革新主義のノリスGeorge Norrisを1913年から43年まで連邦上院に送り続けたこと,改革法案の成立しやすい全米唯一の一院制州議会を有すること,州内の電力はすべて州有発電所が供給していることなどは,ネブラスカの進歩的伝統を示すものである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネブラスカ」の意味・わかりやすい解説

ネブラスカ
ねぶらすか
Nebraska

アメリカ合衆国中部の州。面積20万0017平方キロメートル、人口171万1263(2000)。州都リンカーン。州名は、プラット川をさすインディアンのことばに由来し「平らな水」の意。西境ワイオミング州コロラド州東境アイオワ州ミズーリ州、北境をサウス・ダコタ州、南境をカンザス州とコロラド州に接し、中央部を東西にプラット川が、東境をミズーリ川が流れる。気候は大陸性、半乾燥気候を呈し、冬は寒くて夏は暑く、降水量は少ない。また、天候の変化が激しいのも特徴である。グレート・プレーンズの中央部に位置し、地形的には、東部の黄土地域、中央部の砂丘地域、西部の高原地域に大別できる。ミズーリ、プラット二大河川をはじめとする豊かな水と黒土とプレーリーに恵まれ、さらに、灌漑(かんがい)農業や設備、技術改良が加えられ、とくに東部を中心に大規模農業が発達する。トウモロコシ、オート麦、小麦、ライムギ、大豆、飼料、サトウキビなどが栽培され、牧畜も重要な地位を占める。工業は農産物の加工関連工業が大半であり、ほかに機械、金属、電子機器、電気機器工業が盛ん。中核となるオマハは、全米一の精肉業の中心地であり、家畜市場としては第2位を誇る。1803年のルイジアナ購入以前の16世紀ころからスペイン人、フランス人の探検が始まっていたが、本格的な定住は1823年のベルビューの町が最初である。1840、50年代は、西部開拓へのルートにあたるため、重要な物資の供給地として発展。1854年準州、67年第37番目の州に昇格した。1862年にホームステッド法が制定され、大陸横断鉄道も開通したため、空前の土地ブームをよんだ。第一次、第二次世界大戦は急速な経済繁栄をもたらし、近代化に向かって大きく前進した。州内には数多くの湖や砂丘があり、西部開拓時代に利用されたオレゴン道にはスコッツ・ブラフ国有記念物、チムニー・ロック史跡が残されており、史跡も多い。リンカーンとオマハにあるネブラスカ大学が教育の中核をなしている。

[作野和世]


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デジタル大辞泉プラス 「ネブラスカ」の解説

ネブラスカ

《Nebraska》アメリカ海軍の戦艦。バージニア級の前弩級戦艦。船体識別番号はBB-14。1904年進水、1907年就役。グレート・ホワイト・フリートの世界一周航海(1907~1909年)に参加。1920年退役。その後スクラップとして売却。

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