日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイト(工作機械)」の意味・わかりやすい解説
バイト(工作機械)
ばいと
cutting tools
旋盤、形削り盤、平削り盤、立て削り盤、中ぐり盤などの工作機械で使用される切削工具。基本的には刃部とシャンク部によって構成され、構造による分類、形状による分類、機能または用途による分類が可能である。バイトの刃部の材質には、高速度鋼、超硬合金、サーメット、セラミックス、CBN(立方晶窒化ホウ素)などがある。高速度鋼での切削速度の限界は30メートル毎分程度であったが、セラミックス、CBNなどでは1000メートル毎分の高速切削が可能となり、従来不可能であった難削材の加工も行うことができる。
鋼材を旋盤で削ると、切屑(くず)が切れずに連続して排出され、刃物台や工作物に絡まり、刃物や工作物に損傷を与えるので、バイトの刃部にチップブレーカーを設け、強制的に切屑を分断している。このチップブレーカーは切屑処理対策として重要な役割を果たしており、刃部のスローアウェー(使い捨て)化に伴って、いろいろな形状のブレーカーがつくられている。
[清水伸二]
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