ビルブローカー(英語表記)bill-broker

翻訳|bill-broker

デジタル大辞泉 「ビルブローカー」の意味・読み・例文・類語

ビル‐ブローカー(bill broker)

手形仲買人金融機関企業などの間にたって、手形割引コール資金取引などを業とする者。

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精選版 日本国語大辞典 「ビルブローカー」の意味・読み・例文・類語

ビル‐ブローカー

〘名〙 (bill broker) 銀行信託などの金融機関の間、または金融機関と証券会社、企業などの間にあって、手形割引やコール資金の仲介などをする金融業者。手形仲買人。〔舶来語便覧(1912)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ビルブローカー」の意味・わかりやすい解説

ビル・ブローカー
bill broker

手形や短期国債売買,もしくは売買の仲介を行う業者をいう。実際にはロンドンの手形割引商会すなわちディスカウント・ハウス手形割引商社もしくは手形割引業者と訳されることもある)を指すことが多い。ブローカーという言葉は元来,たんなる売買仲介業者を指すが,歴史上の事情から,自己の責任で手形を買う割引商会をビル・ブローカーと呼ぶことになった。このほかにランニング・ブローカーと呼ばれるたんなる仲介業者を含む。19世紀の初めごろまでは,ブローカーは資金を必要とする工業地域の手形を集めて,余資のある農業地域の銀行に売却し,手数料を得ていた。19世紀の後半には支店銀行制の発展に伴って,この業務は不要化していったが,一部のブローカーはすでに銀行からコール・マネーを取り入れて手形を割り引く業務に転進していた(割引商会化)。内国手形は衰退していったので,おもな投資対象は内国手形と逆に増加しつつあったロンドンあて貿易手形であった。第1次大戦以後は貿易手形の使用も減少したが,他方でイギリス政府発行の大蔵省証券TB)が急増したので,割引商会はこの証券をおもな投資対象とした。割引商会は市中銀行から(1971年以降は,1950年代後半から伝統市場とは別に急速に発展した新しい短期市場である第二市場金融機関からも)コール・マネーを取り入れ(貨幣市場),これをおもな原資としてTB等に投資し(割引市場),両者利ざやを稼いでいる。割引商会はロンドン割引市場協会を結成しており,会員は1974年以降11社である。イングランド銀行は伝統的に市中銀行と直接には取引をせず,割引商会とだけ取引を行うので,同行と割引商会との間のTB等の売買が正統的な金融政策の最も重要な経路となっており,このために割引商会は従来から,その資力には似つかわしくないほどの注目を浴びてきたのである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビルブローカー」の意味・わかりやすい解説

ビルブローカー
bill-broker

銀行,手形引受業者などの金融機関相互間,あるいは金融機関と商人との間に立って手形の売買をする業者。欧米でもイギリスでは割引市場が特に発達しており,イングランド銀行,市中銀行,ビルブローカーの3者が中心となって割引市場を構成しているが,ビルブローカーでも単に手形売買の仲介だけを業とするランニングブローカーではなく,自己の計算で手形売買を行うディスカウント・ハウス (割引商社) が特に重要であり,割引市場の中心的な役割を果している。日本ではコール市場が発達したため,ビルブローカーでなく短資会社という名称で主としてコール取引の仲介を営んでいたが,1971年6月手形売買市場の創設とともに手形売買の仲介をも行なっている。

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世界大百科事典(旧版)内のビルブローカーの言及

【ロンドン金融市場】より

…貨幣市場の主軸は手形割引市場であり,その担い手はまずディスカウント・ハウス(割引商会)である。彼らは19世紀初頭のビル・ブローカー(手形仲買人)に起源をもち,初めは単なる手形のブローカーであったが,1830年代ころから自己の勘定で内外手形を買い入れるディーラーに成長し,割引商会と呼ばれるようになった。オーバレンド・ガーニー商会などが有名であるが,現在ではロンドン割引市場協会London Discount Market Association加盟の少数有力会社がシンジケートを形成している。…

※「ビルブローカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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