フォールアウト

デジタル大辞泉 「フォールアウト」の意味・読み・例文・類語

フォールアウト(fallout)

[名](スル)大気圏内核実験原子力施設事故などで大気中に放出された放射性物質が拡散し、地上に降下したもの(放射性降下物)。また、そうした人工放射性核種が降下すること。放射性降灰。→死の灰

フォール‐アウト(fall out)

《「外へ落ちる」の意》ウェブサイトアクセス解析において、利用者が、あるページを閲覧した後に別のページへ移動すること。→フォールアウトレポート

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精選版 日本国語大辞典 「フォールアウト」の意味・読み・例文・類語

フォール‐アウト

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化学辞典 第2版 「フォールアウト」の解説

フォールアウト
フォールアウト
fallout

放射性降下物ともいう.核爆発によって生じた核分裂生成物放射性およびこのとき生じた中性子により,放射化された核種地表に降下したもの.おもな核種は 90Sr(半減期27.7 y)と 137Cs(半減期30.0 y)で,そのほか 3H,14C などが含まれる.対流圏に散乱したものは比較的短時日のうちに地表に降下するが,成層圏にまで達したものは長期間(平均約2 y)そこに滞留し,徐々に対流圏を経て地上に降下する.これまで地球の全表面に蓄積された放射性降下物の量は,90Sr だけで10 MBq(メガベクレル)以上と推定されている.1954年,ビキニ環礁で行われたアメリカの核爆発実験でばらまかれた“死の灰”により犠牲者を出した第五福竜丸事件はよく知られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「フォールアウト」の意味・わかりやすい解説

フォールアウト

死の灰とも。核爆発実験によって空中に吹き上げられた放射性生成物が再び地上に降下するもの。直径10〜500μmのものは数時間〜数日で実験地近くに落ちるが,もっと小さいものは対流圏の風に吹かれて広範囲に飛散,さらに小さい粒子は成層圏に吹き上げられ長年月にわたって徐々に降下する。大型水爆ほど成層圏に達する粒子の割合が多く,これはジェット気流の影響で中緯度上空に多く集まる傾向がある。生成物のうち骨に沈積するストロンチウム90(半減期27.7年)と筋肉などに集まるセシウム137(半減期30.0年)が特に人体に有害。
→関連項目核兵器

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改訂新版 世界大百科事典 「フォールアウト」の意味・わかりやすい解説

フォールアウト
fall out

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世界大百科事典(旧版)内のフォールアウトの言及

【核兵器】より

…これらの放射線が生体に吸収されると放射線障害を起こす(図6)。残留放射線は,火の玉の急速な上昇によって形成される放射能雲から地表に降下する放射性降下物(フォールアウトfallout),いわゆる死の灰によって放射される。放射性降下物を形成するものは,核分裂生成物,未反応の核分裂物質および核爆発で生じた中性子によって誘起された誘導放射能を含む物質で,未反応の核分裂物質からのα線を除けばβ線とγ線が残留放射線となる。…

【放射性降下物】より

…原水爆実験によって生成され,大気中から降下する微細な放射性物質。死の灰,フォールアウトなどとも呼ばれる。内容としては核分裂生成物が主体で,ほかに爆弾構造物その他の放射化生成物およびプルトニウム239 239Puの爆発残渣などである。…

※「フォールアウト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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