フキ(蕗)(読み)フキ(英語表記)Petasites japonicus; butterbur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フキ(蕗)」の意味・わかりやすい解説

フキ(蕗)
フキ
Petasites japonicus; butterbur

キク科の多年草。アジア東部の温帯に分布する。日本各地の暖地山地路傍に生える。横に長く伸びる地下茎の先に葉を出す。葉は長く太い多肉質の葉柄をもち,葉身は大型の腎円形で灰白色綿毛をかぶる。早春に,多数の鱗状の包葉をつけた花茎を出し,先端に散房状に頭花をつける。雌雄異株で,雌株では花後に花茎が伸び 30cm以上になる。雄株の頭花は黄白色,雌株の頭花は白色で,ともに冠毛をもつ。果実は小型の痩果古くから山菜とし,また栽培もされる。食用とされるのは若い花茎と葉柄で,花茎は特に「ふきのとう」ともいわれ,鎮咳剤ともされる。北海道と東北に生じるアキタブキ P. japonicus var. giganteusは大型で,葉柄の長さは 2mにも達する。食用に栽培する。

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