マルカイミジンコ(英語表記)Notodromas monacha

改訂新版 世界大百科事典 「マルカイミジンコ」の意味・わかりやすい解説

マルカイミジンコ (丸介微塵子)
Notodromas monacha

貝虫亜綱ポドコーパ目カイミジンコ科の小型甲殻類。泥の多い浅い水田池沼などにいるが,とくに春から夏にかけて多く見られる。体長0.8mmくらいの小さい丸形の二枚貝状の殻をもち,灰色を帯びた黄緑色近縁種のナガカイミジンコHerpetocypris intermediaでは,殻は横長で楕円形をしており,半透明,淡い黄みがかった緑色または緑色をしている。長さ1.2mm,高さ0.5mmくらい。水草を入れた小さい水鉢や水槽にもよく現れるが,浅い水田,池溝にふつうに見られ,とくに夏から秋にかけて多く出現する。同目にはソコカイミジンコ類Cythereisなど海産底生種もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルカイミジンコ」の意味・わかりやすい解説

マルカイミジンコ
Notodromas monacha

顎脚綱ポドコパ目カイミジンコ科 Cyprididae。殻長 0.9mm,殻高 0.6mm内外で,雌のほうがやや大きい。殻は灰色を帯びた黄緑色で,やや横長の円形。背縁は丸い。春から夏にかけて,浅くて泥の多い池,沼,水田などに多数出現する。カイミジンコ科にはナガカイミジンコ Heterocypris intermedia など淡水産の種が世界に 1700種近くあり,分類が難しい。(→顎脚類甲殻類節足動物

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android