中世に男女の着た長いゆったりした外衣とか,化粧着,バスローブとかさまざまの語義があるが,現代では一般的に婦人服,ドレスの意味として用いる。また法服なども意味する。英語のガウンに当たり,戦利品,略奪品という意味の古フランス語に由来する。もともとは衣類全体を指す言葉から,一揃いの衣服をいうようになり,身分の高い者の正装に使われるようになった。15世紀には一つの衣服に対してのみ使われる言葉となり,16世紀以降は男性のものは儀式服や法服に限って使われ,ローブは主として女性用表着の総称となった。ロココ時代にはローブのいろいろな変形が生まれた。ローブ・ア・ラ・フランセーズrobe à la françaiseは,画家ワトーが好んで描いたので,ワトーひだ(襞)とも呼ばれた。ローブ・ア・ラングレーズrobe à l'anglaiseは簡素なイギリス風,ローブ・ア・ラ・ポロネーズrobe à la polonaiseはポーランド風など,各国のモードをとり入れてフランス化したものが流行した。
日本で明治時代に宮中の礼服として採用されたローブ・デコルテrobe décolletéeは,衿を大きくく(刳)り,背や肩をあらわにしたドレス,ローブ・モンタントrobe montanteは衿が首の長さいっぱいまであり,袖も長いドレスをいい,これらは今日にも残されている。
執筆者:池田 孝江
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
6/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加
5/14 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新