一挙(読み)いっきょ

精選版 日本国語大辞典 「一挙」の意味・読み・例文・類語

いっ‐きょ【一挙】

〘名〙
① ひとたび行なうこと。一つ行動。また、ある企て、大事を決行すること。また、その機会。いっこ。
延喜式(927)一三「共焼香一挙、畢即共復本列
浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)七「勝負の一挙(キョ)はあすに有(あり)」 〔春秋左伝‐襄公二五年〕
② 一飛びすること。ツルコウノトリなど大形の鳥についていうことが多い。いっこ。〔色葉字類抄(1177‐81)〕〔楚辞‐惜誓〕
物事がすみやかにはかどること。また、そのさま。「一挙して」「一挙に」「一挙」の形で副詞的に用いる。いっこ。
読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺「利勇等が罪の軽重を正し給はば、一挙(イッキョ)して邦定りてん」
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「万一危ふしと見たらんには、一挙(キョ)に我庫(くら)を倒(さかさ)にすべし」

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デジタル大辞泉 「一挙」の意味・読み・例文・類語

いっ‐きょ【一挙】

1回の行動、動作。一つの企て。
(多くあとに「に」を伴って副詞的に用いて)一度にかためて物事をやること。ひといき。いっぺん。「一挙に仕上げる」「一挙劣勢を挽回する」
(「一挙して」の形で)すみやかに物事がはかどること。
自分は実に―してその本塁に迫ったような心地がしたので」〈花袋春潮
[類語]一気に一息に一気呵成一度に一斉一時いちじ一時いちどき一遍に一足飛び等しい共に同時に

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普及版 字通 「一挙」の読み・字形・画数・意味

【一挙】いつきよ

ひとたびの行動。〔左伝、襄二十五年〕今子(ねいし)は、君をること奕棋にも如(し)かず。~九世の族、一擧にして之れを滅ぼす。哀しむべき哉。

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