三国一（読み）サンゴクイチ

デジタル大辞泉

さんごく‐いち【三国一】

１ 日本・中国・インドの三国で最もすぐれていること。世界一。「三国一の花嫁」
「―の剛の者と言はれしぞかし」〈義経記・八〉
２ 江戸初期に流行した祝言の小唄の歌詞。「三国一ぢゃ何々になりすまいたしゃんしゃん」と歌い納める。
３ 《三国一の富士山が一夜でできたという伝説から、一夜造りの意で》甘酒の異称。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さんごく‐いち【三国一】

〘名〙

① 日本・中国・インドの三国でもっともすぐれていること。また、世界でもっともすぐれていることの意にも用いる。三国無双。

※義経記（室町中か）八「実にわが朝の事は言ふに及ばず、唐土天竺にも主君に志ふかき者多しといへ共、かかる例なしとて、三国一の剛の者と言はれしぞかし」

② 多く婚礼の席などで世界一の意に用いて婿、嫁をほめたたえる語。

※俳諧・犬子集（1633）五「聟ならで三国一や空の月〈親重〉」

③ 江戸初期に流行した祝宴の席でうたう小唄。また、その歌詞の一部。「三国一じゃ何々になりすまいたしゃんしゃん」とうたうのがふつう。

※浮世草子・好色一代男（1682）三「壁一重あちらにも酒のみ懸(かけ)、六七人声して、三国一(さんゴクいち)じゃ、拍子があうの、あはぬのと」

④ (三国随一の富士山が一夜でできたという伝説による。一夜づくりの意から) 甘酒の異称。〔俚言集覧（1797頃）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

三国一
さんごくいち

歌舞伎・浄瑠璃の外題。

初演

寛政3.夏(京・亀谷粂之丞座)

出典　日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」