下種(読み)げしゅ

精選版 日本国語大辞典 「下種」の意味・読み・例文・類語

げ‐しゅ【下種】

〘名〙 仏菩薩衆生成仏得道種子を下ろすこと。主として天台宗で用いる。
※阿彌陀新十疑(平安中)「初生下種、第二生能純熟、第三生欲往生願之人、豈更造十悪五逆

げす‐し【下種】

〘形シク〙 身分が卑しい。または、品性が下劣で卑しい感じである。下品だ。
塵袋(1264‐88頃)六「双六は下臈のしわざにてかみつかたにはせぬことのやうにおもへるはゆへありや、これらを思ふにはさしも、げすしきゆへあるべしともおぼえず」

げす‐・い【下種】

〘形口〙 品性が下品である。
※洒・美地の蠣殻(1779)「けすひ新をば呼ばせたから」

か‐しゅ【下種】

〘名〙 種をまくこと。種まき。種おろし。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「下種」の意味・読み・例文・類語

げ‐す【下種/下衆/下司】

[名・形動]
心根の卑しいこと。下劣なこと。また、そのようなさまやその人。「―な根性は持つな」
身分の低い者。
未学を軽んぜず―をも侮らず」〈露伴五重塔
げし(下司)」に同じ。
[類語]低俗俗悪卑俗野卑通俗俗っぽいくだらない下劣下品浅ましいさもしい卑しいはしたないあられもないしどけない下等低級低次元猥雑

げ‐しゅ【下種】

仏語信仰の種を人々にうえつけること。仏法にはじめて結縁けちえんする段階をいう。

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