不凍液(読み)フトウエキ(英語表記)antifreeze
antifreezing fluid

デジタル大辞泉 「不凍液」の意味・読み・例文・類語

ふとう‐えき【不凍液】

自動車エンジン冷却水凍結するのを防ぐため、氷点降下剤として加える液。アルコールグリセリンエチレングリコールなど。

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精選版 日本国語大辞典 「不凍液」の意味・読み・例文・類語

ふとう‐えき【不凍液】

〘名〙 自動車エンジンなどの冷却水の凍結防止のため、氷点降下剤として加える液。アルコール、エチレングリコールなどを主成分とする。〔自動車読本(1947)〕
新西洋事情(1975)〈深田祐介鎮魂・モスクワ郊外六十キロ「優れた不凍液を使用していて〈略〉一発でエンジンがかかる」

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改訂新版 世界大百科事典 「不凍液」の意味・わかりやすい解説

不凍液 (ふとうえき)
antifreeze
antifreezing fluid

自動車のエンジンなど,液冷式内燃機関の冷却水に配合し,その凍結を防止するために用いる液体。不凍液には,アルコールを主成分とするもの,エチレングリコールを主成分とするもの,などがある。完全密封型ラジエターには夏冬共用できるようにクーラントcoolantがあるが,その主成分はエチレングリコールである。水にこれらの溶剤が溶けると,氷点降下現象(〈凝固点降下〉の項参照)により水溶液の氷点が大きく低下するので,厳寒期でもエンジンの冷却水の循環支障をきたすことがない。また不凍液には,アルコールまたはグリコールのほか,金属腐食防止剤,消泡剤,漏洩(ろうえい)防止剤などが少量添加されている。
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百科事典マイペディア 「不凍液」の意味・わかりやすい解説

不凍液【ふとうえき】

自動車のエンジンなど,水冷機関の冷却水が凍結するのを防止するために,冷却水に添加する液体。氷点降下により水溶液の氷点が低下することを利用するもので,アルコールグリセリンエチレングリコールなどが用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不凍液」の意味・わかりやすい解説

不凍液
ふとうえき

自動車エンジンの冷却水が凍結しないように冬季に使用するアルコール系の氷点の低い液体。自動車のエンジンの冷却水は、寒冷地で夜間屋外に駐車したりすると凍って膨張し、エンジンブロックを割ったり、ラジエーターを破ったりした。そこで冷却水に不凍液を混入した。しかし春からは冷却水を入れ換えて不凍液を抜かないと、オーバーヒートの原因になった。現代の車では、あらかじめ冷却水にエチレングリコールなどの不凍物質を混入したうえで、冷却系統は完全に密閉されており、メンテナンスを必要としないようになっている。

[高島鎮雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不凍液」の意味・わかりやすい解説

不凍液
ふとうえき
antifreeze

自動車のエンジン冷却水の凍結を防ぐために用いる液体。プロピレングリコール,エチレングリコール,ジエチレングリコールやメチルアルコール,イソプロパノールなどの溶剤に,消泡剤,漏洩防止剤,金属防食剤を添加したもの。これらを混ぜた冷却水には,凝固点が-50℃に下がるものもある。

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化学辞典 第2版 「不凍液」の解説

不凍液
フトウエキ
antifreezing fluid, antifreeze

エンジンなどの冷却水が寒期に凍結するのを防止するための液体.一般には,エチレングリコールやメタノールなどにさび止め剤を加え,水で希釈して凝固点の低いエンジン冷却液とする.

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