世家(読み)せいか

精選版 日本国語大辞典 「世家」の意味・読み・例文・類語

せい‐か【世家】

〘名〙
① 代々ある地位世襲(せしゅう)し、世祿(せいろく)を受ける家柄諸侯など。
※続南行雑録(1692)二条寺主家記抜萃「春日社司〈略〉其後子孫代当其選遂為世家
読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺毛国鼎(もうこくてい)は世家(セイカ)にして、よく民の心を得たりき」 〔孟子‐滕文公〕
② 王や諸侯などの家筋を記したもの。名家の家筋の記録。「史記」の三十世家が有名。
史記抄(1477)三「世家は列国諸侯を載るに、なぜに外戚をば入たぞ」 〔史記‐太史公自序伝〕

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デジタル大辞泉 「世家」の意味・読み・例文・類語

せい‐か【世家】

昔、中国で、一定の地位や俸禄を世襲していた家柄。
1の名家の家系を記録したもの。「史記」のものが有名。

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普及版 字通 「世家」の読み・字形・画数・意味

【世家】せいか

世禄の家柄。世族。また、〔史記〕の諸侯王の記述部分。〔史記、呉太伯世家、注、索隠〕世家なるは、侯の本世を記すなり。言ふところは、其の下子孫にぶまで、常に國を(たも)つ。

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世界大百科事典(旧版)内の世家の言及

【史記】より

…その次には,本紀と表が政治史に傾きすぎた欠を補って,儀礼,制度,音楽,天文,暦法,祭祀,治水問題,経済政策など,文化のさまざまなジャンルに関する概観を8巻の〈書〉にまとめて示す。その次には,諸侯の国々の歴史を30巻の〈世家(せいか)〉として記述し,さらに,さまざまな面で人間としての意味を歴史に刻印した多くの人物の伝記を70巻の〈列伝〉において叙述した。この列伝の中には,匈奴や西域諸国をはじめ,当時に知られたかぎりの諸外国や異民族に関する地誌,歴史,民俗なども記述されており,最後の列伝第70〈太史公自序〉において,このような総合的・体系的世界史を書くにいたった意図が述べられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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