井上良斎(2代)(読み)いのうえ・りょうさい

朝日日本歴史人物事典 「井上良斎(2代)」の解説

井上良斎(2代)

没年:明治38.8.4(1905)
生年弘化2?(1845)
幕末明治期の陶工初代良斎の養子。初代は尾張(愛知県)瀬戸の出身で文政11(1828)年の生まれか。江戸四谷の松平摂津守家に仕え,のち独立して浅草橋場町に開窯。東玉園良斎と称し,瀬戸の技術をもって欧米への輸出品をつくり,東京磁器の有力者となった。 2代目は,尾張藩御用庭焼師川本治兵衛の子として瀬戸に生まれる。初代に請われてその養子となり,2代目を継ぐ。明治10(1877)年の第1回内国勧業博覧会に出品して受賞,名声を確立した。白磁の釉下着彩法をきわめ,完全な技巧を駆使した多彩な東洋的意匠を完成させて,明治の陶芸界を代表する名工となった。

(矢部良明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井上良斎(2代)」の解説

井上良斎(2代) いのうえ-りょうさい

1845-1905 明治時代の陶芸家。
弘化(こうか)2年生まれ。尾張(おわり)名古屋藩御用庭焼師2代川本治兵衛の子として生まれ,初代井上良斎の養子となる。明治10年第1回内国勧業博への出品作が受賞。のち東京から横浜にうつって作陶,明治期を代表する作家ひとりとなった。明治38年8月4日死去。61歳。

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