会心(読み)カイシン

デジタル大辞泉 「会心」の意味・読み・例文・類語

かい‐しん〔クワイ‐〕【会心】

心にかなうこと。期待どおりにいって満足すること。「会心笑みを浮かべる」
納得すること。会得すること。
「以上の道理を―して爰に人に就て云わんに」〈福沢福翁百話
[類語]得意満足足る満ち足りる満悦充足飽満自足自得・充足感・充実感・自己満足本望心行く堪能たんのうする満喫する安住する・安んずる甘んずる十分十全嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる舞い上がる満たす気を良くする溜飲りゅういんを下げる言うことなし気に意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそぞくぞく誇らか誇らしげ揚揚得得鼻高高誇らしい鼻が高い肩身が広いときしたり顔自慢顔自慢たらしい昂然こうぜん胸を張る得意満面得意顔勝ち誇る肩を張る肩で風を切るこれ見よがし有頂天優越感意気揚揚鬼の首を取ったよう欣喜雀躍きんきじゃくやく意気が揚がるうぬぼれるのぼせるひけらかすあごをなでるどや顔所得ところえ手柄顔おご肩肘かたひじ張る天狗になる見得を切る大見得を切る高ぶるいい気誇示見せつける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「会心」の意味・読み・例文・類語

かい‐しん クヮイ‥【会心】

〘名〙
① (━する) 納得すること。会得すること。
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉四「以上の道理を会心(クヮイシン)して爰に人に就て云はんに」
② 自分の気持、考えと一致すること。心にかなうこと。満足すること。
※南海先生後集(18C中)即事、倣香山体「鹿於芳草鳥於林、性好由来在会心
異端者の悲しみ(1917)〈谷崎潤一郎〉一「章三郎は会心の笑みを洩らして、ぐっと溜飲を下げた」 〔世説新語
意中の人。好きな人。
※玩鴎先生詠物雑体百首(1794)美人采蘭「拈華不他微笑、嬌靨嫣然見会心

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「会心」の読み・字形・画数・意味

【会心】かい(くわい)しん

心にかなう。〔世説新語、言語(帝)、林園に入り、みて左右に謂ひて曰く、會心の處は必ずしもきに在らず、翳然(えいぜん)たる林水、(すなは)ち自ら濠濮(がうぼく)のの想るなり。

字通「会」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android