何処やら(読み)どこやら

精選版 日本国語大辞典 「何処やら」の意味・読み・例文・類語

どこ【何処】 やら

(「やら」は副助詞)
不特定場所方向を漠然とさしていう。「どこか」をさらにぼかしたいい方。
浮世草子好色一代男(1682)六「どこやらに、よき風義そなはりぬ」
② これといってはっきりさし示すことはできないが、たしかにあるという感じを表わす。副詞的に用いる。何となく。どこか。
※虎寛本狂言・空腕(室町末‐近世初)「頼ふだ人はどこやら正直な御方で御ざる程に」

どこへ‐やら【何処やら】

連語〙 (「へ」は格助詞、「やら」は副助詞) その場所がどこかはわからないがどこかへ。多く人や物事がどこかへ行ってしまったり、消えてしまったりしたときに疑問・驚き・皮肉などを込めて用いる。
※中華若木詩抄(1520頃)上「其三人の笑声天風が吹て、どこへやら取ていぬるぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「何処やら」の意味・読み・例文・類語

どこ‐やら【処やら】

[名]場所をはっきりそこと示さないでいう。どこかあるところ。「何処やらへ行くそうだ」
[副]それとはっきり示せないが、なんとなく。どことなく。「何処やら父親似の顔」
[類語]何処どこどこそこいずこどこらどこいらどの辺いずかたどちらいずれどっちどこか某所某地どことなくそこはかとないほんのり何となく何とはなしそれとなしに心なし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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