先天（読み）せんてん

精選版 日本国語大辞典

せん‐てん【先天】

〘名〙 (「易経‐乾卦・文言」の「先_レ天而天弗_レ違、後_レ天而奉_二天時_一」による語。天にさきだつ意)

① 人為の存する以前にそなわっていた状態。

※集義和書（1676頃）一五「又先天の理也。〈略〉孟子先天の理によりていへり」

② 生まれつきそなわっていること。本来身にそなわっていること。⇔後天。

※致知啓蒙（1874）〈西周〉上「名を先に知りて、物を後に、知ることぞ多かる、こは、さりながら、後天〔 a posteriori 〕のことにて、先天〔 a priori 〕より、さるにはあらじ」

※薩長土肥（1889）〈小林雄七郎〉四藩政党「先天の気質に在て、後天の主義に在らざる事を証し」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

せん‐てん【先天】

《「易経」乾卦の「天に先立ちて天違たがわず、天に後れて天時を奉ず」から》生まれつき身に備わっていること。⇔後天。

出典　小学館

普及版 字通

【先天】せんてん

生得。

字通「先」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」