全分泌(読み)ぜんぶんぴつ

世界大百科事典(旧版)内の全分泌の言及

【外分泌腺】より

…(2)分泌物の性質による分類 粘性の小さい液体を分泌する漿液(しようえき)腺(膵臓(すいぞう)の外分泌腺・耳下腺・涙腺などで,分泌物にはタンパク質が多量に含まれ,腺細胞には粗面小胞体がよく発達している),粘液を分泌する粘液腺(消化管・気管・顎下(がつか)腺などにあり,粘液の主成分はムチンで,多糖類の硫酸エステルをふくむ複合タンパク質である)および脂肪を分泌する脂腺(皮脂腺などで,この細胞には小管状の滑面小胞体がよく発達し,絨毛(じゆうもう)状のクリスタをもつミトコンドリアがみられる)。(3)分泌物の放出形式による分類 (a)全分泌(皮脂腺)は,分泌物が充満するため核は萎縮し,死んだ細胞が全体として分泌されることをいう。(b)離出分泌(離出汗腺,乳腺)では,分泌物が細胞の表層近くに集まり突出し,突起のつけ根がくびれて離れる。…

【腺】より

…しかし胃の傍細胞では滑面小胞体がよく発達しており,これが塩酸の形成に大きい役割を演じていると推測される。
[分泌物が放出されるしくみ]
 (1)全分泌holocrine secretion 分泌物が細胞質内に充満し,核は萎縮し,ついには細胞全体が死滅し,分泌物と化して,排出されるものをいい,皮脂腺や瞼板腺においてみられる。(2)離出分泌apocrine secretion 腺細胞の中で形成された分泌物が,細胞の遊離面に集まって突出し(この突起をアポクリン突起という),ついには突起の根元がくびれて離断し,腺腔におちこむものをいう。…

【皮膚】より

… 表皮の2番目の重要な性質として,それを構成する上皮細胞群の一部が真皮内あるいはさらに皮下組織内にまで伸び出す形で増殖して腺(皮脂腺,大汗腺,小汗腺)をつくり,分泌作用を営む点があげられる。皮脂腺は有毛性皮膚に存在し,脂性分泌物を毛根に向けて排出し,毛および有毛性皮膚全体の表面に脂性被膜をあたえる(皮脂腺の分泌様式はホロクリン分泌または全分泌といって,細胞体内に脂質滴の充満した腺細胞そのものが脱落,排出される)。独立皮脂腺は毛根に開口しない点で特殊な皮脂腺であり,口唇や外陰部など皮膚と粘膜の移行部に存在する。…

※「全分泌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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