円鏡寺(読み)えんきようじ

日本歴史地名大系 「円鏡寺」の解説

円鏡寺
えんきようじ

[現在地名]北方町北方

大門だいもんに所在。高野山真言宗、池鏡山補陀落院と号し、本尊聖観音。弘法大師の草創と伝え、定照院と称したという(新撰美濃志)。天文二一年(一五五二)一一月に記された円鏡寺縁起によれば、永延二年(九八八)住僧良祐が真言密教の奥儀をきわめたことが天聴に達し、勅願寺として寺坊一六を擁した寺観を整えたという。古代の東山道沿いに建造され、交通の要衝で、中世においても寺勢隆盛であったようである。

円鏡寺
えんきようじ

[現在地名]境町百戸 山神前

百戸もどの西部に所在。清水山名称院と号し真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると開基了智は親鸞稲田いなだ(現笠間市)より上洛の途中、当地の沼地を渡れずに難儀していたのを助け、のち親鸞の弟子となり、当地に一宇建立。また覚書(長野監治文書)によれば当地の土豪長野(永野)氏が堂宇を興し、天正二年(一五七四)の兵火で焼失したが、親鸞の名号一軸は残り、のち堂宇も再建された。なお覚書では開山を良信とする。宝永四年(一七〇七)の寺社方指出覚帳(同文書)には「一浄土真宗清水山円鏡寺、本寺武蔵国多麻郡江戸浅草報恩寺、客殿長七間・横六間、庫裏長六間・横五間三尺、境内は東西四拾八間・南北三拾五間、御年貢地、一本高八斗、是ハ小笠原佐右衛門様御代より御年貢御除地被下候、此永三百七拾文、外に本高四石四斗九升九合、新田四反八畝拾八歩」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「円鏡寺」の解説

円鏡寺

岐阜県本巣郡北方町にある真言宗の寺院。811年創建。本尊の木造聖観音立像、楼門などが国の重要文化財に指定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の円鏡寺の言及

【北方[町]】より

…岐阜市に隣接し通勤者も多く,近年宅地化が進んでいる。平安初期創設の寺伝をもつ円鏡寺があり,楼門,木造聖観音立像などは重要文化財に指定されている。【上田 雅子】。…

※「円鏡寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android