切目(読み)キリメ

デジタル大辞泉 「切目」の意味・読み・例文・類語

きり‐め【切(り)目】

切ったあと。切り口。刻み目。「肉に切り目を入れる」
物事の区切り。切れ目。「仕事切り目をつける」

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精選版 日本国語大辞典 「切目」の意味・読み・例文・類語

きれ‐め【切目】

〘名〙
① 裂けたり、ぎざぎざになったり、刻み込まれたりしている所。
御伽草子・鼠の権頭(室町時代物語大成所収)(室町末)「びゃうぶのきれめ、ゑんの下かべにたたずむ、きりぎりすの、むしくゐのすき
② 続いて並んでいたり、連続したりしているものが途絶える所。
※玉塵抄(1563)三「油をつぼからうつす如につきぬぬめってきれめもない」
③ 続いて行なわれていた事が途絶える時。ひとくぎり。段落
名語記(1275)六「蝉はしげく、きれめの重々あるよし」
④ 尽きるとき。終わり。果て。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二「けふの此時が、夫婦のゑんのきれめと成て候ぞや」

きり‐め【切目】

〘名〙
① 切ったところ。刻みをつけたあと。切り口。切断面。〔名語記(1275)〕
② 物事のくぎり。きちんとすべきところ。きれめ。段落。急所
※大鏡(12C前)六「歌いみじくとも、をりふし、きりめをみてつかうまつるべきなり」
③ 料理で筒切り輪切りにすること。
石山本願寺日記‐私心記・天文六年(1537)二月二日「御斎、汁(三)、菜(十三)、但霜月のごとく、牛蒡・竹子等切目にはなし、如常也」
魚肉切身
談義本・遊婦多数寄(1771)三「ちっとも肴の切目(キリメ)がわるいと少にてもにほいあしきはあがらぬと」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「切目」の意味・わかりやすい解説

切目
きりめ

和歌山県中部、日高郡印南(いなみ)町の一地区。旧切目村。切目川河口部で、『万葉集』には殺目山(きりめやま)とある。熊野古道沿い、五体王子社の一つ、切目王子社(県史跡)があり、藤原定家(ていか)の『後鳥羽(ごとば)院熊野御幸記』にもこの地で歌会を開いたことが記され、『平治物語』『太平記』などにもこの地名がみえる。国道42号が通じ、JR紀勢本線(きのくに線)切目駅がある。

[小池洋一]

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