十国峠(読み)ジッコクトウゲ

デジタル大辞泉 「十国峠」の意味・読み・例文・類語

じっこく‐とうげ〔‐たうげ〕【十国峠】

静岡県東部、熱海市函南かんなみ町との境にある峠。伊豆相模駿河遠江甲斐武蔵常陸安房上総下総の十か国を望むことができるところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「十国峠」の意味・読み・例文・類語

じっこく‐とうげ ‥たうげ【十国峠】

(伊豆・相模・駿河・遠江・甲斐・武蔵・安房・上総・下総・信濃(常陸とも)の一〇か国を望むことができるところから) 静岡県東部、熱海市と函南(かんなみ)町との境にある峠。箱根峠から尾根伝いに南下し、伊豆山へ向かう途中にある。標高七七四メートル。日金(ひがね)山。十州峠。

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百科事典マイペディア 「十国峠」の意味・わかりやすい解説

十国峠【じっこくとうげ】

静岡県熱海市と函南(かんなみ)町の境,熱海峠北方約1kmにある緩斜面。日金(ひがね)山とも。標高774m。地名は信濃や下総(しもうさ)に及ぶ10国が望まれるためといわれ,駿河湾富士山南アルプス伊豆諸島などの展望がよく,箱根熱海間の自動車専用道路から頂上までケーブルカーがある。富士箱根伊豆国立公園に属する。
→関連項目走湯山

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改訂新版 世界大百科事典 「十国峠」の意味・わかりやすい解説

十国峠 (じっこくとうげ)

静岡県熱海市と田方郡函南(かんなみ)町の間,箱根火山の南斜面。標高774m。十州峠ともいい,眺望が相模,武蔵,下総,上総,安房,駿河,遠江,信濃(常陸とする場合もある),甲斐,伊豆の10ヵ国に及ぶとされ,眼前にせまる富士が美しい。古くは日金(ひがね)山といったが,これは火ヶ峰の転訛した名で,地形も峠と呼ばれるものの鞍部(あんぶ)ではない。かつて,火牟須比命(ほむすびのみこと)をまつる伊豆山神社旧祀とみられる東光寺(日金地蔵堂)があった。峠の南方の熱海峠から南へ伊豆スカイラインが,また北方の箱根峠へは主要地方道熱海・箱根峠線が通じ,登り口から山頂の展望台までケーブルカーが通じる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十国峠」の意味・わかりやすい解説

十国峠
じっこくとうげ

静岡県熱海市(あたみし)と田方(たがた)郡函南町(かんなみちょう)との境にある峠。十州峠、日金山(ひがねさん)ともいい、標高774メートル。熱海峠と箱根峠とを結ぶ主要地方道熱海・箱根峠線が十国峠(日金山)西斜面を南北に走り、ケーブルカーが山頂に達するので、観光客も多い。なだらかな草原状の山頂一帯は湯ヶ原火山の安山岩質溶岩からなる山体で、その眺望は10国5島に及ぶのが地名の由来である。相模(さがみ)、武蔵(むさし)、上総(かずさ)、下総(しもうさ)、安房(あわ)、駿河(するが)、遠江(とおとうみ)、信濃(しなの)、甲斐(かい)、伊豆(いず)の10国、大島、新島(にいじま)、神津(こうづ)島、三宅(みやけ)島、式根島の5島がそれにあたる。源実朝(さねとも)が箱根権現(ごんげん)と伊豆山権現の二所参りの途中に詠んだ「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよるみゆ」の歌碑のほか、東方には日金山東光寺がある。熱海駅から十国峠登り口駅までバス約35分、頂上までケーブルカーが通じる。また、山頂へのハイキングコースもある。

[北川光雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十国峠」の意味・わかりやすい解説

十国峠
じっこくとうげ

日金 (ひがね) 山ともいう。静岡県東部,熱海市と函南町を結ぶ峠。標高 774m。峠の名は伊豆,相模,駿河,遠江,甲斐,信濃,武蔵,安房,上総,下総の 10国を展望できることによるという。源実朝が箱根・伊豆権現参りの途中に詠んだ歌の碑が建てられている。眺望は雄大で,峠の頂上へケーブルカーが通じている。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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