精選版 日本国語大辞典 「厭」の意味・読み・例文・類語
いと・う いとふ【厭】
〘他ワ五(ハ四)〙
① いやだと思って避ける。うとましく思う。いやがる。
※源氏(1001‐14頃)行幸「さまざまに、かかる名のりする人を、いとふことなく拾ひ集めらるるに」
② つらいこの世を避け離れる。出家する。世捨て人となる。
③ いたわる。かばう。大事にする。気をつける。現在は、からだや健康などについていう。
※浮世草子・懐硯(1687)二「元より惣八門之進をいとひけるよりそれ程に思はれなば」
※われから(1896)〈樋口一葉〉二「本当に身体を厭(イト)はねばいけませぬぞえ」
いとわし・い いとはしい【厭】
※宇津保(970‐999頃)あて宮「いともいともいみじういとはしければ」
いとわし‐が・る
〘他ラ四〙
いとわし‐げ
〘形動〙
いとわし‐さ
〘名〙
いとい いとひ【厭】
※万葉(8C後)一〇・二三四八「和射美(わざみ)の嶺行き過ぎて降る雪の猒(いとひ)もなしと申せその児に」
いとわし いとはし【厭】
〘形シク〙 ⇒いとわしい(厭)
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