口に蜜あり腹に剣あり(読み)クチニミツアリハラニケンアリ

デジタル大辞泉 「口に蜜あり腹に剣あり」の意味・読み・例文・類語

くちみつありはらけんあり

《「唐書李林甫伝にある、唐の宰相、李林甫を評した言葉》口ではやさしいことを言うが、心の中は陰険であること。
[類語]狼に衣羊の皮を着た狼白無垢しろむく鉄火外面似菩薩じぼさつ内心如夜叉にょやしゃ真綿に針を包む笑中にとうあり人面獣心蛇心仏口ぶっこう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「口に蜜あり腹に剣あり」の解説

口に蜜あり腹に剣あり

口ではやさしいことを言いながら、心の中は陰険であることのたとえ。

[使用例] 口に蜜ある者は腹に剣を蔵する。一人分八百円ずつ、取るものは取ったが、しかし、果して新聞の広告文通り約束を実行したかどうか[織田作之助勧善懲悪|1942]

[由来] 「資治通鑑―唐紀」に載せる話から。八世紀、唐王朝の時代の中国でのこと。時の宰相、りんは、教養のある者たちをねたみ、表では仲よくしていましたが、あまいことを言っては、裏で彼らを罪に落としていました。そこで、世の人々は李林甫のことを「口に蜜有り、腹に剣有り(ことばは甘いが、内心では人を傷つけようと考えている)」と言っていたということです。

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