吹上(読み)ふきのぼる

精選版 日本国語大辞典 「吹上」の意味・読み・例文・類語

ふき‐のぼ・る【吹上】

〘自ラ四〙
① 風が低い所から高い所へ向かって吹く。ふきあがる。
源氏(1001‐14頃)玉鬘「秋風、谷よりはるかに吹のぼりて、いと肌寒きに」
② 水などが高くわきあがる。ふきあがる。
歌舞伎幼稚子敵討(1753)三「守りと書置と井の内へ投込。水吹のぼる」
③ 笛などの音がしだいに高い調子になる。
※枕(10C終)二一八「なからばかりよりうち添へてふきのぼりたるこそ、ただいみじう」

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日本歴史地名大系 「吹上」の解説

吹上
ふきあげ

和歌山城の西南和歌浦に通じる和歌道わかみち筋の両側に広がる地域の呼称。「続風土記」は「東は岡に接し、北は湊に接し、西は湊村に接し、南は今福・宇須二村に接す」と記す。吹上の地名は、本来は雑賀さいか庄の海浜の地名であった(→吹上浜。徳川氏入部以後、城の南に続く地を整地し諸士の屋敷地としたのがこの地域で、その範囲は時代によって若干異なる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吹上」の意味・わかりやすい解説

吹上
ふきあげ

鹿児島県西部,日置市南部の旧町域。薩摩半島西岸にある。 1955年伊作町と永吉村合体して吹上町が成立。 2005年伊集院町,東市来町,日吉町と合体し日置市となる。中心地区の伊作は伊作島津家 (→島津氏 ) の城下町で,亀丸城跡はその居城跡。米,葉タバコ,野菜,ミカンなどを生産。ブタや和牛の飼育も盛ん。西岸の吹上浜砂丘とマツ林,薩摩湖吹上温泉 (伊作温泉) ,島津家歴代の墓地など観光資源に恵まれ,海岸部は吹上浜県立自然公園に属する。

吹上
ふきあげ

埼玉県中北部,鴻巣市北西部の旧町域。荒川元荒川の間に挟まれた沖積地にある。 1934年町制。 1954年小谷村と合体。 1955年大井村の一部を編入し,さらに下忍村と合体。 2005年鴻巣市に編入。中心地区は自然堤防上にある。電機合成樹脂などの大工場が JR高崎線吹上駅周辺に立地。低平な地帯では米作のほか都市近郊型の農業が行なわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「吹上」の意味・わかりやすい解説

吹上(埼玉) (ふきあげ)

吹上(鹿児島) (ふきあげ)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「吹上」の解説

吹上 (フキアゲ)

学名:Agave stricta
植物。リュウゼツラン科の園芸植物

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世界大百科事典(旧版)内の吹上の言及

【江戸城】より

…しかし工事はなお断続しながら続き,家康,秀忠,家光の3代を経て36年(寛永13)にようやく完成をみた。 内濠で囲まれた城内は,本丸,西丸,二丸,三丸,北丸,吹上の各区画からなる。そのうち本丸,西丸は最重要部で,本丸は将軍が起居し幕府の政務が行われる場所,西丸は大御所あるいは将軍世子の住む場所であった。…

※「吹上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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