四仏(読み)シブツ

デジタル大辞泉 「四仏」の意味・読み・例文・類語

し‐ぶつ【四仏】

金光明経に説く、四方に位置する仏。東方阿閦あしゅく南方の宝相、西方無量寿阿弥陀)、北方微妙声みみょうしょう
密教で、大日如来の四方に位置する仏。金剛界では東方の阿閦、南方の宝生、西方の阿弥陀、北方の不空成就胎蔵界では東方の宝幢ほうどう、南方の開敷華かいふけ、西方の無量寿、北方の天鼓雷音。

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精選版 日本国語大辞典 「四仏」の意味・読み・例文・類語

し‐ぶつ【四仏】

仏語。
[一] 四方に鎮座する四つの仏。東は阿閦(あしゅく)、南は宝相、西は無量寿、北は微妙声(みみょうしょう)。〔観仏三昧経‐九〕
[二] 密教の金剛、胎蔵両界曼荼羅で、大日如来の四方に鎮座する仏。金剛界では、東は阿閦、南は宝生、西は無量寿、北は不空成就。胎蔵界では、東は宝幢、南は開敷華王、西は無量寿、北は天鼓雷音。
[三] 化身または応身に当たる化仏、果報身として応身または報身に当たる報生仏、理仏としての法身に当たる如々(にょにょ)仏、智慧身で報身に当たる智慧仏の四つ。
[四] 過去七仏中の、賢劫の最初に出現した、倶留孫・倶那含・迦葉釈迦牟尼の四つ。
※百座法談(1110)三月二七日「其の所に五色の雲たちて、過去の四仏あらはれたまへりとぞ注て候」 〔法苑珠林‐八〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四仏」の意味・わかりやすい解説

四仏
しぶつ

密教で大日如来を囲む四方の仏。金剛界胎蔵界とでは四仏の名が異なる。金剛界は,東に阿 閦 (あしゅく) ,南に宝生,西に阿弥陀,北に不空成就の四仏,胎蔵界は,東に宝幢 (ほうどう) ,南に開敷華 (かいふけ) ,西に無量寿,北に天鼓雷音 (てんくらいおん) の四仏。名は異なるが,それぞれ本体は同じともいう。これらの仏の名に関しては異説が多い。

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