国司信濃(読み)くにししなの

精選版 日本国語大辞典 「国司信濃」の意味・読み・例文・類語

くにし‐しなの【国司信濃】

江戸末期の長州藩家老本姓、高洲。名は朝相、のち親相。禁門の変を起こした責任を問われて幽居幕府第一次長州征伐に際し、藩命によって自刃。天保一三~元治元年(一八四二‐六四

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改訂新版 世界大百科事典 「国司信濃」の意味・わかりやすい解説

国司信濃 (くにししなの)
生没年:1842-64(天保13-元治1)

幕末長州藩の重臣。名は親相など,信濃通称。上級家臣団の寄組,高州元忠の次子に生まれ,寄組,国司家を継ぐ。下関外艦防備の任などに就き,加判役に昇る。京都を追われた長州藩の失地回復のため,1864年(元治1)家老益田右衛門介,福原越後とともに藩兵を率いて上京し,禁門の変に敗北して帰還した。第1次長州征伐に謝罪のため切腹させられ,首を征長軍本陣に送られた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国司信濃」の意味・わかりやすい解説

国司信濃
くにししなの
(1842―1864)

幕末の長州藩の家老。名は朝相(ちかすけ)、のちに親相と名のる。藩士高洲元忠(たかすもとただ)の次男。家老国司将監迪徳(しょうげんみちのり)の養子。寄組に列し、文武に秀で和歌をたしなんだ。1863年(文久3)の馬関攘夷戦(ばかんじょういせん)には手兵を率いて警備にあたり、ついで赤間関惣奉行(あかまがせきそうぶぎょう)として指揮にあたった。八月十八日の政変が起こると、藩主父子の雪冤(せつえん)、尊攘派立て直しのため64年(元治1)7月に兵を率いて上洛(じょうらく)、禁門の変を起こしたが、敗れて辞職。その責任を負って福原越後(ふくはらえちご)、益田右衛門介(ますだうえもんのすけ)の両家老とともに徳山藩に預けられた。第一次征長軍が国境に迫ると、幕府への謝罪のためとして両名とともに自刃させられた。

[吉本一雄]

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朝日日本歴史人物事典 「国司信濃」の解説

国司信濃

没年:元治1.11.12(1864.12.10)
生年:天保13.6.15(1842.7.22)
幕末の長州(萩)藩家老。名は朝相,のち親相。通称,熊之助,のち信濃。寄組,高州元忠の次男に生まれ,同じ寄組,国司家,禄高5600石に入る。文久1(1861)年,大組頭役となり,同3年,下関の攘夷実行に出,寄組からは特例として馬関(下関)防備総奉行となり,加判役に昇ったが,藩は8月18日の政変で京都から追われた。翌年,家老益田右衛門介,福原越後と共に上京,禁門の変に嵯峨から進撃し,中立売門で薩摩藩兵に敗れて帰藩した。幕府が征長軍を組織すると,謝罪のため,徳山の澄泉寺で切腹を命じられた。23歳であった。

(井上勝生)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「国司信濃」の解説

国司信濃
くにししなの

1842.6.15~64.11.12

幕末期の萩藩家老。名は朝相(ちかすけ),のち親相。通称熊之助,のち信濃。高洲家に生まれ,家老職国司家に養子に入る。1863年(文久3)攘夷決行のため馬関(下関)へ出張,6月馬関総奉行となる。同年8月18日の政変に対する冤罪をはらす嘆願がいれられず,翌64年(元治元)兵を率いて上京。禁門の変に敗れて帰藩。幕府の征長軍の進発にあたり,謝罪のため家老益田右衛門介・福原越後とともに切腹させられた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国司信濃」の解説

国司信濃 くにし-しなの

1842-1864 幕末の武士。
天保(てんぽう)13年6月15日生まれ。長門(ながと)(山口県)萩(はぎ)藩家老国司迪徳(みちのり)の養子。文久3年家老。八月十八日の政変後,藩の失地回復をはかり,元治(げんじ)元年兵をひきいて京都にむかうが,禁門の変に敗れて帰藩。恭順派のため幽閉され,同年11月12日藩命により切腹。23歳。本姓は高洲。名は朝相,のち親相。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国司信濃」の意味・わかりやすい解説

国司信濃
くにししなの

[生]天保12(1841)
[没]元治1(1864)
幕末の長州藩家老。尊王攘夷派の擁護に努め,文久3 (1863) 年の四国艦隊下関砲撃事件に活躍したが,禁門の変の際,藩兵鎮撫に失敗して敗戦の責をとり澄泉寺で自刃。

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367日誕生日大事典 「国司信濃」の解説

国司信濃 (くにししなの)

生年月日:1842年6月15日
江戸時代末期の長州(萩)藩家老
1864年没

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