精選版 日本国語大辞典 「土手」の意味・読み・例文・類語
ど‐て【土手】
[1] 〘名〙
※浄瑠璃・大経師昔暦(1715)中「名残おしさに立とまり、小だかき土手にのびあがり、二人見送る影法師」
※就弓馬儀大概聞書(1464)「どての広さ五尺なく候へば、弓射られず候也」
③ 鮪(まぐろ)、鰹(かつお)など、大きな魚の背の部分の切り身。
※雑俳・柳多留‐二一(1786)「此どてはいくらだとねぎさげて居る」
④ 歯の抜け落ちたあとの歯茎(はぐき)。
※雑俳・柳多留‐四八(1809)「章魚鮑土手を迯げたりむぐったり」
※雑俳・伊勢冠付(1772‐1817)「人間のわく池・ムックリト両側の土手」
⑥ 駕籠屋・車夫仲間の隠語。
(イ) 一銭をいう。〔隠語輯覧(1915)〕
(ロ) 一〇銭をいう。
※落語・素人人力(1893)〈三代目三遊亭円遊〉「『符牒抔(なぞ)を知ってますかい』『整然(ちゃあ)んと覚えました。ゲンコ(五銭)、ドテ(拾銭)、ヤリ(廿五銭)、ヲイ先(はな)ア切って呉れ、てへ様な事を云ふんでげす』」
(ハ) 八銭をいう。〔新しき用語の泉(1921)〕
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