変成器(読み)へんせいき(英語表記)transformer

翻訳|transformer

精選版 日本国語大辞典 「変成器」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐き【変成器】

〘名〙 弱電機器、通信伝送系などで、主としてインピーダンス整合のために使われる機器。〔電気訳語集(1893)〕

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デジタル大辞泉 「変成器」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐き【変成器】

電圧電流の値を調整する装置。弱電流回路で使われる変圧器をさすこともある。

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改訂新版 世界大百科事典 「変成器」の意味・わかりやすい解説

変成器 (へんせいき)
transformer

計測,制御用または電子回路の直流分離やインピーダンス変換用などに用いられる電磁結合素子の総称。原理的にも構造的にも電力用の変圧器とほぼ同じものである。共通の鉄心に2組以上のコイルを巻いたもので,各コイルの電圧がその巻回数に比例することを利用して電圧を変える目的で用いるのが変圧器,コイルが2組の場合,電流は巻回数に反比例することを利用して電流を変える目的で用いるのが変流器である。これらのことから,一方のコイルにあるインピーダンスを接続して他方のコイルから見ると,これが(巻数比)2倍になって見えることを利用するのがインピーダンス変換器で,インピーダンス整合(最大電力を伝達するために電源の内部インピーダンスと負荷のインピーダンスとを一致させること)のために用いるものをとくに整合用変成器という。各コイルの直流電位はそれぞれ独立に与えてよいから,直流電位の異なるところに同一の(または相似形の)交流信号を伝えるのにも用いられる。

 もう少し複雑な機能をもったものの例としては,送受信に共用する2線式回路と,送信と受信とを分離した4線式回路とを接続するためのハイブリッドコイルと呼ばれる3巻線変成器がある。これを用いると平衡回路による損失はあるが,相互に非干渉化することができる。

 なお,電力用の変圧器はふつうは変成器とは呼ばない。
変圧器
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「変成器」の意味・わかりやすい解説

変成器
へんせいき
transformer

直接測定することができない高電圧または大電流を、測定しやすいような電圧、電流に変換する装置。電力系統のような高電圧、大電流を測定する場合に必要であり、計器用変圧器、変流器、電圧電流変成器などがこれにあたる。いずれも基本構造は変圧器と同じである。変換される電圧、電流は測定しやすいように、計器用変圧器では110ボルト、変流器では1アンペアあるいは5アンペアを定格値としている。

[岡村正巳]

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百科事典マイペディア 「変成器」の意味・わかりやすい解説

変成器【へんせいき】

変圧器

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「変成器」の意味・わかりやすい解説

変成器
へんせいき

変圧器」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の変成器の言及

【トランス】より

…トランスホーマーtransformerの略。変圧器,または変成器のこと。変圧器はその名の示すように交流電圧を変えることを目的とする。…

【変圧器】より

…トランスフォーマー,略してトランスともいわれ,場合により変成器ともいわれる。変圧器は交流の電圧および電流の大きさを電磁作用により変成する電気機器である。…

※「変成器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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