太白山脈(読み)タイハクサンミャク

デジタル大辞泉 「太白山脈」の意味・読み・例文・類語

たいはく‐さんみゃく【太白山脈】

テベクさんみゃく
金史良の長編歴史小説。昭和18年(1943)「国民文学」誌に発表した日本語作品。
金達寿長編小説未完。昭和44年(1969)刊。昭和29年(1954)刊行の「玄界灘」の続編にあたり、日本の植民支配から解放されたソウル舞台に、信託統治反対運動に関わる人々を描く。

テベク‐さんみゃく【太白山脈】

朝鮮半島東部を南北に連なる山脈金剛山雪岳山五台山太白山などが並ぶ。たいはく山脈。

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精選版 日本国語大辞典 「太白山脈」の意味・読み・例文・類語

たいはく‐さんみゃく【太白山脈】

朝鮮半島東岸を南北に走る山脈。元山付近から釜山付近まで約六〇〇キロメートルにわたり、太白山や五台山、金剛山などの名山がそびえる。最高峰は雪岳山(一七〇八メートル)。慶尚山脈。テペク山脈

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百科事典マイペディア 「太白山脈」の意味・わかりやすい解説

太白山脈【たいはくさんみゃく】

朝鮮の東海岸沿いに南北に走る脊梁(せきりょう)山脈。元山の南の黄竜山から南下し,釜山付近に至り全長約600km。山脈中には金剛山(1638m),雪岳山(1708m),五台山(1563m),太白山(1561m)などがあり,平均標高1000m。東側は急斜面で日本海に向かい,西側はゆるやかな高原状を呈する。漢江・錦江・洛東江が発源。支脈に小白山脈,広州山脈,車嶺山脈などがあり,小白山脈は湖南地方(全羅道)と嶺南地方(慶尚道)の境をなす。山脈には無煙炭,タングステンなどの地下資源が豊富。
→関連項目漢江慶尚北道江原道太白朝鮮東海洛東江狼林山脈

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改訂新版 世界大百科事典 「太白山脈」の意味・わかりやすい解説

太白山脈 (たいはくさんみゃく)
T`aebaek-sanmaek

北部の狼林山脈とともに朝鮮半島の脊梁をなす山脈。東朝鮮湾の元山の南に発し,日本海沿いにまっすぐ南下して釜山市の多大浦に達する。長さは約600km。基盤が古期の花コウ片麻岩類から成り,山脈全体が白く見えるところから命名されたと思われる。ところどころにみられる花コウ岩層が激しい浸食作用を受け,複雑な山容をあらわしている。山脈の南端にある主峰太白山(1546m)は,湖南地方(全羅道)と嶺南地方(慶尚道)を分かつ小白山脈との分岐点をなすが,東麓一帯には無煙炭が豊富に埋蔵され,石灰石,森林資源などとともに〈太白山地域総合開発計画〉のもとに開発がすすめられている。太白山から北に五台山雪岳山金剛山などの高山がそびえ,それぞれ山岳信仰の中心となっている。山脈の西斜面には南西方向に数本の支脈が発達し,ゆるやかに黄海に没している。一方,東斜面は南北方向の断層崖の発達により急傾斜となっており,東側では海岸までの距離が平均16kmと狭く,広い平地がみられない。平均高度800mの太白山脈が東西交通を阻んできたが,1976年に江原道の大関嶺を越える高速道路が開通し,それまでバスで8時間半かかったソウル~江陵間が3時間半に短縮され,太白山地の観光資源,自然資源の開発が進められている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「太白山脈」の意味・わかりやすい解説

太白山脈
たいはくさんみゃく / テペクサンミェク

朝鮮半島のほぼ中央の半島の東海岸(日本海側)沿いに南北に走る脊梁(せきりょう)山脈。500キロメートルに及び朝鮮一の長い山脈。東斜面は急峻(きゅうしゅん)で海に迫り、西斜面は緩く広い嶺西(れいせい)高原を展開している、非対称傾動山地である。山体は花崗(かこう)岩と花崗片麻(へんま)岩が基盤岩となっている。太白山脈中には北から南へ、世界的な名山、金剛山(1638メートル)をはじめ雪岳山(1708メートル)、五台山(1563メートル)、太白山(1561メートル)が並び、南下するにしたがって低い残丘を残している。これらの山地には六百山頂のような高位平坦(へいたん)面を残している。山脈の東斜面を嶺東地方、西斜面を嶺西地方とよんでいるが、山脈の鞍部(あんぶ)である鉄嶺(685メートル)、大関嶺(865メートル)などは、交通路が発達していない時代は東西間の重要な交通路であった。

[魚 塘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太白山脈」の意味・わかりやすい解説

太白山脈
たいはくさんみゃく

テベク(太白)山脈」のページをご覧ください。

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