宗金(読み)そうきん

改訂新版 世界大百科事典 「宗金」の意味・わかりやすい解説

宗金 (そうきん)

室町時代博多商人。生没年不詳。朝鮮の《老松堂日本行録》《李朝実録》《海東諸国紀》等に多彩な行動のあとが記録されている。宗金は博多在住の豪商で,毎年のように使者を朝鮮に送って巨額にのぼる貿易活動を行った。彼はみずから図書(としよ)(朝鮮から通交特権として与えられた私印)を用いて貿易するほか,斯波,畠山渋川大友,少弐氏などの貿易を代行するとともに,一方では大友氏代官として博多の町政にも参加した。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宗金」の解説

宗金 そうきん

?-1454 室町時代の貿易商
筑前(ちくぜん)(福岡県)博多の商人で,応永27年(1420)朝鮮の回礼使宋希璟(そう-きけい)の接待役をつとめ,32年朝鮮から通交特権をえて守護大名大友氏らの貿易をうけおった。永享3年には将軍足利義教(よしのり)の使者もつとめた。享徳3年8月死去。

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世界大百科事典(旧版)内の宗金の言及

【博多商人】より

…神屋寿禎は大陸から先進的な銀の精錬技術を輸入し,石見銀山の開発に利用したといわれている。また朝鮮貿易においても,1419年(応永26)の応永の外寇の直後,真相究明のため室町幕府から副使として朝鮮に派遣された平方吉久,日朝・日明貿易に活躍し〈富商石城府代官〉と称された宗金とその一族,博多を本拠として朝鮮と琉球の間で活躍した道安など,多数の博多商人が活躍した。戦国期に博多は自治都市化するが,それを担ったのが博多の有力商人であったと考えられる。…

※「宗金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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